今年2回目の名古屋です。
物吉貞宗と鯰尾藤四郎に名物刀剣。そして、熱田神宮の刀剣展。
帰りは青春18切符をはじめて使った新鮮な旅となりました。
一言レポート
徳川美術館メモ。オススメはとくになしかなー。やっぱライティング。なので、物吉くんとずおは見る価値ある。ばみも同じところ展示だろうから期待できるぞ!
— ないな (@poponainai) July 23, 2016
一庵正宗の二重刃+金筋なところは見所。そういえば、正宗の短刀あまり見てない。初代村正の皆焼の刀は見てるだけで楽しい。#とうらぶ男子
名物刀剣を前にしても、刀剣展示はライティング次第だなと思ったのでした。まる。
まとめ
- 熱田神宮宝物殿-7月平常展- は五カ伝の展示で年に1回レベルの最高な刀剣展示だった。今年最高レベル。
- 徳川美術館の名物刀剣はライティングが少しあまかったのでアンケート書いたからこの思い届いて
- 今年は生まれて初めて使った青春18切符。違った旅の楽しみ方を覚えた
信長・秀吉・家康 -それぞれの天下取り-
徳川美術館の2016年夏季特別展示です。
目録はこちら(※PDF)。
会期は公式情報より、以下引用です。
会期 2016年7月14日 (木) ~ 2016年9月11日 (日) 開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
必ず、前売り券を買いましょう!すべてにおいてお得です。
詳しくは前回のレポートをご参照ください。
この特別展の展示室で紹介される主な刀剣は3口
特別展と刀剣の展示の部屋が別れているのはいつも注意すべきところです。
信長・秀吉・家康それぞれに由来のある刀剣を特別に展示した3口が主な刀剣です。
ずおと物吉くんは前回まとめたので、今回は信長の名物 津田遠江長光
に注目して下調べしました(後述)。
毎月のように名物刀剣を出すつもりな徳川美術館さん
「もっときれいな平成28年度の刀剣展示リストが欲しい!」とのリクエストをいただきまして、機械オンチですが頑張りました。再度掲載、綺麗に見えるでしょうか・・・。見えるといいな! pic.twitter.com/oQ6esJRPIY
— 徳川美術館 (@tokubi_nagoya) July 14, 2016
今回はこのスケジュールを見て、7,8月展示予定の名物刀剣を見に行くことにしました。
全国にある名物刀剣の保有数では他の追随を許さない美術館というより三河徳川家さすがの一言。
徳川美術館の名刀
さきほどの情報をもとに、今回お目当てとした主な刀剣は以下になります。
目録(※ PDF)のとおりですが、会期が細かいので注意が必要です。
今回だと、7/12~8/9狙いです。次回は、8/10~8/23または9/11まで、もしくは8/24~9/11まで。
それをふまえて、注目の名物はあらかじめ調べておきました。
8/9まで見ることができる名物刀剣は6口
名物 鳥養国俊 名物 庖丁藤四郎 名物 南泉一文字 名物 池田正宗 名物 一庵正宗 名物 松浦信国
せっかくの機会なので書物でもくもくと事前調査。
内容は準備編で最後にまとめておりますので興味のあるかたはどうぞ。
7月平常展 - 熱田神宮宝物展 - コーナー展『館蔵 日本刀の美』
熱田神宮でもやりますよ刀剣展示。
7/1~7/26まで宝物殿で五カ伝の特集との情報。
年に1回は刀剣メインの展示してくださるみたいなので今回も楽しみです。
当日
今回の旅は深夜バスで移動して、朝早くから刀剣展示を見たら夕方には青春18切符で東京へ戻るルートです。
バスタ新宿より出発
今年突如東京は新宿に出来た巨大バスターミナル。
その名も、バスタ新宿です。
そのあたりのバスやタクシーを集めたみたいですねー。知らなかった。
新宿に今年できたばっかりのバス乗り場。その名もバスタ新宿。バスターミナルってことなんだろうけど。
— ないな (@poponainai) July 22, 2016
そのへんのバス停かき集めたらしいんだよねー。さすがの広さであるというより、利用しようとする人がほんと多い。 pic.twitter.com/PcYaUJrLxj
新宿 -> 名古屋
深夜バスに乗ってうとうと眠りながら名古屋を目指します。
カフェがオープンする時間にあわせて、朝の7:00前に到着するルートを今回は選択。
無事に到着後、腹ごしらえです。
朝ごはんはマカロニカフェ
名古屋駅で朝ごはん!
— ないな (@poponainai) July 22, 2016
立地(バス、名鉄、JR)と7:00開店と収容人数多いのとでマカロニ。パンがふわふわでおいしかった。塩加減も朝に欲しい味でありがたい。並んでたし、あっというまに人で半分は埋まっておもしろかった。 pic.twitter.com/wQSWQYResr
7:00開店にあわせて人がちゃんと並んでいて、
食べ終わる頃には席が半分は埋まっていたのが不思議な光景でした。
このパターンで名古屋に来る人が多い証拠なのでしょうか。
熱田神宮でポケモンGO!
名古屋駅からでしたので、いつものドニチエコきっぷをゲット。
JRも今回であれば、青春18切符を使えるので早速使って併用進行。
到着後、熱田神宮をお散歩。リリースされたばかりのポケモンGoが活躍しました。
熱田神宮で捕まえたポケモンGOのコイキングの名は熱田の主です。
— ないな (@poponainai) July 23, 2016
知らない名所を散策することができて満足度が高かったです。旅との相性よいですね。
もちろん、本殿にもお参りをすませて、開館時間の9:00になったら宝物殿です。
朝イチ太郎さん
朝イチ太郎さん。 #とうらぶ男子 pic.twitter.com/d60faPMJU4
— ないな (@poponainai) 2016年7月23日
今回は、キャプションを読む余裕ができたので今回はそちらのお写真を。
熱田神宮宝物殿の刀剣展示は過去最高の出品
うわさには聞いてましたが、感動体験でした。
ライティングが本当にすばらしい。刀剣の特徴をじっくりと見ることができます。
そして、図録を持って行って正解。キャプションはすべて図録といっしょです。解説もメモも楽!
手元のを持ち出しましたが、もはや、保存用(改訂版)と記録用で2冊ですよ。
現存二作の粟田口国友とご対面
熱田神宮の国友。山城のいや粟田口の優美さを持ちつつ好みの小鋒どうしようもなく愛しくてずるい。
— ないな (@poponainai) July 23, 2016
ミルフィーユか!っていいたいぐらいのキレイな三層。見てて全然あきない。これだけで1時間行ける。今日イチはこれか、重文 太刀の重光。圧倒的な乱れうつり。重光見た中ではじめて記憶の残った。
これが、初期粟田口派か!と、もう、圧倒的な美ですね。
解説には、 精美
の一言ですよ。
トーハクの粟田口久国を思い出します。
二回見に行ってよかった。すごいキレイだったから。この粟田口久国は過去の展示見ると5年に1回レベルだったのかなー。 pic.twitter.com/94gjp0uw54
— ないな (@poponainai) March 23, 2016
三層のミルフィーユ感がすごく似ているんですよ。
そう、同じ言葉を思わず使っちゃってるんですよね。
イチオシは重光
重光を初めて記憶に残したぐらい、見事な太刀でした。
展示の一番おくに堂々と展示されており、宝物殿側としても一押しだったのでしょう。
圧倒的な乱れうつり。これにつきます。銘入りは貴重とのこと。
他の刀剣たち
- 長光もいいのあった
- 根元の地肌が総合的に見てきらびやかで見所ある
- メモでは書いたけど、ここ!って指差したい
- 雲次も好み
- 典型的な匂口しまるってこれこれ!だった
- 長さ変だな?といつも寸法を目視するが解説でも変やでってあったので納得。
- 茎が長いのに刃長短いとバランスがなー
- これが、尋常じゃない、ってことか
- 包利の剣。重文。
- これも見所ある
- 柾目肌ーってな典型的なまっすぐの跡が見えるのが大和派としてほんと好み
- 剣なので見やすい
- 兼元が2口あったのが孫六ー!ってなってよかった
- 刀は図録のやつ
- この人の三本杉こそが不揃いさのバランスがいいんですよねー
- 規則正しすぎないが魅力として大事
- あと、国光を見つけて、前に見たことある!と刃文を見てわかったのがうれしかった
- 刃先に潜む平行な筋だった記憶で判断できて国光好きとしては満足。おぼえてる。
といった形で、あとは図録に直接メモをとって読みなおしてはホクホクしています。
なお、この日は小学校の修学旅行とかぶったのか団体さんが多かったです。
なんと、ドニチエコきっぷで熱田神宮で割引がきく!
これ、知らなかったのですが、教えてもらいました。使えました。
観光のときにはおぼえておきましょう。
お昼はさくっと宮きしめん
熱田神宮定番ですね。
ひっかけまんばと宮きしめん pic.twitter.com/hhO6okXUuB
— ないな (@poponainai) July 23, 2016
地下鉄とバスを乗り継いて徳川美術館へ
いつも、バスの時間と乗り場がわからなくて不安になるのですが、無事にルートを確保。
この時点で、3回電車と地下鉄を使った計算になるので簡単に元がとれますね。
特別展示へ。
いざ、徳川美術館
ところが、ライティングがあまい!
わかってはいたのですが、それでもここまで見えないかという泣けてくる展示方法でした。
特に、名物刀剣。
事前にしっかりと見たい箇所をメモして、その姿をじっくり目に焼き付けようとしただけに残念でした。
ずおとばみ
のコラボ展示はこのライティング弱い場所の展示と予想されるので、心配です。
ただ、8/9までの鯰尾に物吉と長光。この3口は特別展の別展示のライティングなのでむしろよいです。
特に物吉くんは、前回と違って高待遇でした。見応えあります。
その上で感想
- 包丁藤四郎は肌そのまんま藤四郎だった
- 津田遠江長光はライティングのいい場所だけど位置が低い
- 短刀は基本見やすい
- 鳥飼国俊もライティングがギリギリ刃文にとどかない
- 南泉一文字、池田正宗は刃文が見えないのであきらめたレベル
- この2口はポスターもはって、力をいれていただけに少し残念でした。
- 南泉一文字は思い入れが特に強くまた見たかっただけに
よって、ライティングをよろしくおねがいしますとの思いを込めてアンケート書いてみました。
来月に反映されるといいな。
ドニチエコきっぷは徳川美術館さんでも使える
200円引きなので1000円です。
今回、前売り券を使わずにこの方法でも割引がきくということで試してみました。
結果、カードの裏記載の日付を提示できればOKとのこと。お得ですね。
おやつはいつもの芳光さん
芳光さんで茶菓子をいただく。ほっと一息。カルメラおいてて味見させてもらった。ニッキ、黒糖、ゆず。お茶請けにどうぞだって。どれもほんのり美味しい。わらび餅は6/30までだよ。お盆はさけてのお休みがあるのでご注意。 pic.twitter.com/I8LhqSpqR5
— ないな (@poponainai) July 23, 2016
お茶うけを、無料でもってかえってとテーブルに添えていたカルメラがおいしかったですね。
ここでの休憩は鉄板ですね。
さあ、ここで今回は帰るのさ青春18切符の旅
ここから、JRだけを乗り継ぐ東京までの約6時間の旅の始まりです。
例えば、今回のように16:00頃の夕方には帰り始めても22:00頃になるのです。
そこで、あらかじめ計算して効率よく帰ることにしました。
話には聞いていたが静岡がほんと長い
浜松は静岡だし、沼津も静岡だし、熱海ですら静岡だし。静岡は静岡!
— ないな (@poponainai) July 23, 2016
愛知の隣も静岡!広いわ(何回でも言う)
静岡って広いんだ!と知れておもしろかったです。
このエリアで新幹線を補助的に使うとお得なので、今回は、浜松-静岡で新幹線。
青春18切符1枚あたりの値段と同等になるので倍感覚ですが、ショートカットになります。
電車旅を楽しみつつ帰路
途中駅に降りてもまた電車にのることができるのが青春18切符の魅力。
沼津駅で、降りて、地元で有名な定食屋さんでごはんを食べてみたり、
時間になるまで歩いてみたりと楽しかったです。
おかえり
今回の長旅活躍ベスト5。
— ないな (@poponainai) July 23, 2016
5位。夏でもエアコン対策のカーディガン。これないと風邪引く。4位。マスク。夜行バスでは乾燥対策大事。なかったらのどあかん。3位。バッテリー。今まで不安だったが安心。。2位。ポケモンGO。旅の概念変えてくれる楽しさある。夢中。1位は青春18切符いいねでした
これでおしましい。 あとは、事前に勉強した刀剣知識吸収の準備編です。
準備編
名物刀剣ですから、下調べしますよね。
なお、今回の解説を参考に一部引用もしくは解釈対象は以下の資料です
名物 津田遠江長光(つだとおとうみながみつ)
特徴
- 写真を見た時の感想
- 刃文の足が長いなーこれは
- 長い足と葉がしげく入る
- 堂々した姿で身幅広い
- 少しすりあげ(7.6cmほど)
- 淡い乱れ映り
- 刃文は丁子乱れ蛙子交じり
- 中程より上は大房の丁子乱れ華やかで匂い深く匂足入り刃中の働き見事
- 帽子は、浅く乱れ込みとがりごころに返る
- 目釘穴4つ
- 場所がおもしろい
太刀 銘 国俊 名物 鳥養国俊
特徴
- 写真を見た時の感想
- 茎のばばき辺に、ぎゅっと握ったかのようあとが気になる
- 鋒の樋がおもしろそうな締まり方
- 小太刀 60.3cm
- 寸のつまった小太刀
- 身幅はあり、重ねも厚い
- 樋先はあがる ... ここが注目しているポイント
- 地は小板目つんで、地沸つく
- 刃文は匂口のしまった華やかな丁子乱れで小足と葉が繁(しげ)く入る
- 棟は湯走り
- 鋒の刃は乱れこむ
- 彫り物は棒樋
- 茎は少し区を送り先を一文字にきる
- 目釘穴は二個、孔の下の中央に横ひろがりの二字銘。おおぶり。
- 順番に、丁子、小乱交じり、物打ちより上は広直刃
- 国俊の二字銘の作は、いかにも豪壮。派手な作とのこと
- 他に例がなく、めずらしい
短刀 銘 吉光 名物 庖丁藤四郎
- 大谷吉継関連
特徴
- 写真を見た感想
- 庖丁とあるが、身幅は広くない。そのまんまご家庭の庖丁のよう。
- 刀傷が物打ちに見える
- 写真を見て短いと思ったら、21.8cm
- 根本の傷らしきものが気になる
- _この刀剣、調べたけどあまり情報を得ることができなかった
刀 無銘 一文字 名物 南泉一文字
- 秀頼の所持品だった
- 家康との対面での献上物。慶長16年(1611)
- 今回の目玉ですね
特徴
- 写真を見た感想
- まんなかの刃文のゆらぎが気になる
- 無銘の大磨上
- 反りは浅いか少し先反り
- 地は小杢目つまりの板目交じり
- 地映りが大きく鮮やかに出る
- 刃文はややうるみごころの大房丁子乱れ
- 足・葉よく入る。
- 鋒の刃は小乱れ
- 指表は焼き詰め風
- 鎬筋は高め ... この特徴はあまり聞かないのでおもしろい
- 鋒はやや、猪首ごころの中鋒
- 福岡一文字派の吉房あたりじゃないの?とも
名物 池田正宗
- 様々な人に伝わったが、磨上銘をを命じた池田長吉由来の名前。
特徴
- 写真を見た感想
- なんだこの波模様
- 鋒がユニーク
- 大鋒
- 身幅が広く豪壮な姿
- 反りは先反り風もあり、腰反りこころもある
- 茎は大すりあげ
- 本阿弥9代光徳
- 鋒が伸びた格好をしている
- 相州者の特徴
- 鍛えは小板目つみ所々に大模様(つまり、大板目)の肌交じり
- 沸が美しく変化も巧み
- 地沸つき
- 地景しきりにはいる
- 刃文は匂口のしまった、のたれ調の乱れ刃で互の目を混じえ
- 小沸がよくつき
- 小足入り
- 砂流しかかって、飛び焼きが交じり ... これ、写真でも見える
- 帽子は乱れ込み、はきかけ
- 金筋のように小沸つき、先が小丸になり。稲妻も。
- 尖りごころ
- 棒樋は茎先近くまで。添え樋が、茎に残る
- 中ほどに大きな刃こぼれ
刀 無銘 正宗 名物 一庵正宗
特徴
- 写真を見た感想
- 黒い?まるで再刃のようなシンプルさを感じる
- 平造。内反りの姿。
- 平造り。真の棟(いわゆる、三つ棟で相州多い)。身幅ややせまくなる。
- 鍛えは、小板目肌がつみ
- 地沸が細かにつき地景が交じり
- 地文は、板目つみ地沸よくつき冴える
- 地景や地斑交じり湯走りかかる
- 刃文は浅くのたれ小乱。中程より上は互の目乱れ二重刃かかり
- 互の目が交じり、中程上に飛び焼きがかかり
- 二重刃のようになって金筋かかる
- 刃中よく沸えて匂い深く砂流しや金筋
- 帽子は乱れ込み、とがりごころにはきかけ
- 相州正宗作と伝える無名短刀中での優品
- うぶなかご
- 先が浅い栗尻
- 鑢目は勝手下がり(ミ、って感じの)
小太刀 名物 松浦信国
名物以外の刀剣
8,9月の名物刀剣は?
- ずおばみ
- 名物 大左文字
- 名物 吉見左文字
- 名物 無銘藤四郎
- 名物 戸川志津
- 名物 兵庫守家
- 名物 五月雨郷
- 名物 奈良屋貞宗
- 名物 不動正宗
すごすぎでは?
さいごに
名物刀剣がこれだけ展示される機会はなかなかないので、また名古屋には行きたいですね。
青春18切符を使ってみたのは、今後の旅の活動範囲を広げてみたかったからです。
今後は、水戸、仙台付近、はたまた岡山と使えるエリアをさぐっていく刀剣遠征の夏にしていきたいです!