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#とうらぶ男子

男が刀剣乱舞にはまった。ゲームをきっかけに博物館へ刀剣を見に行ったり、関連する土地に足を運んでみたり

刀剣展示遠征の旅 ~本阿弥家と享保名物帳の謎と伏見貞宗 兵庫編~

来国俊 長谷部国重 粟田口吉光 黒川古文化研究所 伏見貞宗 享保名物帳

前回の広島に続き今回の刀剣遠征の旅は兵庫編です。
刀剣の保有数が多くそのうち刀剣を公開してくれないかなと期待していた黒川古文化研究所さん。
タイミングよく去年ヒストリアでも紹介され話題になった伏見貞宗の展示が決まったので見に行ってきました。

一言レポート


※ 匂って言っているけど砂流しなので沸出きかなー

まとめ

  • 展示の刀は一級品な10振(長谷部、吉光、来国俊など)。照明がよくて単眼鏡を無料貸し出し。
  • 伏見貞宗は圧倒的。今まで見てきたどの貞宗よりも好きな作。来てよかった!
  • 享保名物帳の謎にせまった最新のレポートから刀剣乱舞の厚と平野のレア理由を想像できた

黒川古文化研究所とは

パンフレットより、中国と日本を主とした東洋の古文化(こぶんか)を調査研究する民間の研究機関です。
黒川家が3代にわたって集めた品・約8500件(2万点/国宝2/重文16件142点)。その中に刀剣も保有。
現存3作の御番鍛冶でもあった粟田口国友のその1作も保有しています。


公式動画より。刀装具の紹介も見事なものばかりです。


第115回展観 明清書画の清雅・名物刀剣の冴輝・慶長小判の誕生

会 期    4月16日(土)~5月29日(日)
休館日   毎週月曜
開館時間    午前10時~午後4時(受付は15時30分まで)
料 金 一般:500円

貨幣コレクション(約100点)と中国絵画が中心な展示。
日本刀は「伏見貞宗」や「籠手切郷」の名物の展示に加えて本阿弥家にせまる解説展示。
今回は、この期間展示の「伏見貞宗」と本阿弥家にせまった展示を目当てに行くことを決めました。

どうやっていくの? -> ハイヤーに乗ろう!

兵庫県ですね。それも西宮市の中でも山奥地にあります。最寄り駅からずっと急な登り坂
そこで、阪急苦楽園口から、往復で無料ハイヤー(土・日・祝日限定)が出ているので活用しましょう。
夙川側の降り口の目の前でハイヤーが時間どおりに到着します。



当日

まずは電車で苦楽園口駅へ。阪急で梅田からなら夙川駅到着後、1駅乗り継ぎですね。
芦屋エリアはおいしいパン屋さんがそろっているので、最寄り駅近くのパン屋さんによっておきます。
その後、ハイヤーの時間にあわせて駅前へ。いざ黒川古文化研究所へ!

受付

ハイヤーで建物到着後、特別展を確認。

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受付をすませると単眼鏡の無料貸し出し中。
「世界が変わります!!」とのオススメ。いいですねー。

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本阿弥家と名物刀剣

展示目録より刀剣関連の出品物は以下です。
写真撮影できないので見た雰囲気を伝えますね。

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伏見貞宗は砂流しがスゴイ

冒頭の一言レポートのとおりですね。
館内案内のパンフレットの写真を引用させていただきました。

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  • 今までみたどの貞宗より好きな貞宗だった
  • 地景しきりに入るどころか、刃文付近の砂流しがほんとうにすごい繊細で鮮明に見える!
  • 鋒のスタイルがめちゃくちゃいい。姿見だけでほれる
  • 刃文の波っぷりが見たことない形で規則正しくもあり美しい
    • のたれ調にかくかくぴょこんと山なりに折れる姿がフリフリに見える
    • 小のたれに小互の目まじり、ということ
  • 地鉄と刃文の境目が見事
    • 貞宗特徴表現でいうところの、これが「匂口深く、小沸つき」が魅せる箇所なのだろうか
  • 彫物を単眼鏡で見たが荒いところが見えない。すごい。
  • 板目肌もはっきり見えて肌が美人肌
    • 大板目肌みたいです
  • 銘は無名だが朱書。本阿弥光温とのこと。
  • はばきも別けて展示
    • 刻印が入っていて当時の歴史を物語ります

絶賛だなー。

刀 無名 長谷部(金粉銘:国重)重文

  • 78.3cmと大きい国重の作
    • 折紙つきでその折紙も展示してくださり貴重。
  • 擦上げの刀。キレイな白めな鉄の色
    • 小板目肌もよく見えて白長谷部ですね
  • この長谷部は皆焼なだけじゃなくて火焔帽子に見える鋒がかっこいい
    • 燃え上がる大乱れの刃文だけどどこか繊細な色してて匂口冴えてる
  • はばきが葵紋だったので徳川家が関係するのかな?

粟田口吉光新藤五国光・来国俊と並ぶ直刃短刀

  • この3振が順番に並んでいる姿は壮観
  • 比較がしやすくて興奮しました
    • すべて小板目肌で吉光がとくに細かく肌がつんでいていいなーと感じました
    • 来派なら国俊好きだし、直刃短刀なら新藤五国光が好きです
    • この国俊は、25.9cmの国俊。同研究所はもう一振り短刀を保有
    • 『健全さにおいて右に出るものがない優品』として伝わる国俊は展示されておらず(24.5cm)
    • 国光の彫り物には種子と護摩箸。中直刃でしたね。
  • 短刀 銘 吉光
    • 吉光は匂い口しまりっぷりがわかりやすくぴーんとした細直刃でした
    • 展示してなかったけど吉光は折紙つきのようです
    • 地肌がきれいでほんときれいで
    • 23.7cmとちっちゃいのもポイントですね

その他の刀剣の感想

  • 名物 籠手切郷の魅力
    • 水平線を眺めてるようにあきない郷。この表現におちつきました。海沿いの風景を眺めている気分です。
    • 帽子が一枚風で横手前でかくんと焼きが折れて、刃先まで伸びてなかったのが特徴的
    • にっかり青江といっしょに展示していた郷(大きく二つの傾向がある)に似ていました
  • 郷の魅力って刃文というより刀にうつる壮大な景色を楽しむって感じがするというのが個人的な感想

本阿弥家と享保名物帳の関連

  • 本阿弥家にせまるだけあって、宗三の江戸時代の押形の展示や研究所本
    • 『古刀集覧』巻1 (全10巻のうち)
    • 原寸大の一部を展示で確認することができた。ルーツ本のようだ。江戸後期。
  • 『埋忠銘鑑 全』で銘がたくさん乗っている史料の一部を見た
    • 再訂版が昭和7年
    • 大正6年(1917)の実物を見ることができたのは貴重 ... 研究所図書とのことなので他にない?
  • 本阿弥家関連の解説と知識まとめ
    • 8代目の光刹(こうさつ) は1581年没(信長の死)
    • 9代目の光徳が折紙発行を認める流れつくる
    • 10代目の光室が秀頼の「骨骸藤四郎」「薬研藤四郎」を回収し家康に持ち込んだ歴史転換点の話
  • 刀剣乱舞の厚くんと平野君がレアの理由の想像ができた(あくまで私の妄想)
    • 享保名物帳の写本として伝来するものが2系統ある
    • 1類の冒頭が「厚藤四郎」で、2類の冒頭が「平野藤四郎」が名物であるとはじまる
    • またその解説本が古川古文化研究所紀要第15号に収録されてます


刀剣以外の展示

  • 慶長小判の展示
    • 小判の金額の数え方が2進数や4進数などで計算していたことに驚き
    • 小判のとおりで大判ってのは本当に本当におおきいのですね
    • 銀貨はその含有量をなぜか科学的分析で目安展示。研究してますなー。
  • 東洋文化の展示は解説がコミカルだった
    • みんな興味ないかもしれないけど見方はーとか
    • 東洋の人っておもしろいと思ったらすぐにリスペクトして模索するから本物と偽物が混ざるとか

のんびりできる

お客さんはハイヤー(9人乗り)に乗れる人数がちらほらいる程度でゆっくり鑑賞できます。
休憩ルームで図録を見たりお茶を飲んだりベランダに出て景色をながめることができるのでくつろげます。

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今回の展示図録はないけど研究所紀要がある

受付で今回の刀剣展示の内容が写真つきで一部載っていたので購入。
享保名物帳の謎にせまっていて読んでいて興奮です。
公式ホームページには全15号のうちPDFで少し試し読みができますね。

最新号(今回の15号)は読めないですが、刀装具にせまった古文化研究【第11号】 はオススメ。
PDF: 横谷宗珉の実像-刀装具「町彫」成立の背景-

あと、売り切れなので古書で探すしかないですが、同研究所の刀剣ほぼすべてが網羅されていた図録欲しい。

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古文化研究【第15号】「享保名物帳」の意義と八代将軍徳川吉宗による刀剣調査

受付で販売している15号の中身を少し解説です。おおざっぱ。

  • 厚藤四郎、平野藤四郎で始まる2種類の名物帳の冒頭を解説
  • 本阿弥家の家系図と活動記録にせまっている
  • 享保名物帳のみを神聖視することには異を唱える流れがある
  • 吉宗公の名物刀剣と黒田家にかかわる史料がある
  • 享保名物帳所蔵刀剣の所有者一覧の付録あり

所蔵品選集 鐔

鐔の図録を今までちゃんと買ったことなかったですが拡大図がついていて、
あと研究所らしく分析調査(X線の話してて原子核と電子のこと書いてるよ!)しているのがおもしろいです。

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まとめ

黒川古文化研究所、個人的には知りたいことが知れた満足する展示でした。
刀剣をどうぞ見に来てくださいという展示内容に満足。
伏見貞宗ほんと美人だった。きれい。

今回の刀剣遠征の旅、兵庫編は終わり。次は名古屋編です!