#とうらぶ男子

男が刀剣乱舞にはまった。ゲームをきっかけに博物館へ刀剣を見に行ったり、関連する土地に足を運んでみたり

刀剣展示遠征の旅 ~後藤藤四郎と太郎太刀のハート型 名古屋編~

前回の兵庫編に続き今回の刀剣遠征の旅は名古屋です。
徳川美術館さんが後藤藤四郎を展示するとのことなので、見に行きました。
また、去年、鯰尾藤四郎と物吉貞宗と本作長義を見に行ったとき以上に名古屋を楽しむ旅を計画しました。

初日の一言レポート


※ 写真のとおりでしおりは5/17から入荷予定です。お見逃し無く。

2日目の一言レポート


※ 目貫きといってますが目釘ですね
※ 訂正:刀剣訪問ブログさんですね。記事はこちら。

まとめ

  • GWの徳川美術館は混んでいたが前売り券の情報のおかげで計画的に刀剣を見ることができた
  • 名古屋城刀剣の展示物はすばらしかったが人混みには勝てなかった
  • 熱田神宮宝物館の刀剣展示物は解説があいかわらずすばらしく、また、太郎太刀はハート型な点を発見した

徳川美術館

説明は前回の記事参考で。
徳川美術館さんの情報はTwitterみましょう!それで十分です。
ミュージアムショップも充実しているし、インターネットの使い方うまいし商売上手ですね。


ぶらり浮世絵散歩 -平木名品コレクション-

特別展示のメインは浮世絵展示。会期は、2016年4月16日 (土) ~ 2016年5月29日 (日)
目録(PDF)には刀剣もちろんありません。
どこに、刀剣が展示されるのでしょうか?

第1展示室 武家のシンボル-武具・刀剣-に刀剣が展示

入り口すぐの常設展示。ここに刀剣関連が展示されます。
目録(PDF)はこちら。
お目当ての名物刀剣は展示期間Aの区分なので、4月19日(火)~5月17日(火) までですのでご注意を。

移動手段

といったところですね。
私はメーグル乗りたかったのですが、初日はドニチえこきっぷで元とれずで2日目は個別支払いでした。
1日券を上手に使えなかったですねー。いつもそんな気がしますけどね!


準備

お目当ては刀剣ですが、観光しつつ今回はややゆっくりとまわれるコースにしました。

徳川美術館へは前売券を購入しておきましょう

  • 1,200円の特別展が1,000円で購入可能
  • 隣接する徳川園も300円のところ150円で利用可能
  • 人気の美術館のため開館時間からチケット購入行列ができますがそれを横目に入場可能

メリットが非常に大きく公式ページでも案内しています。
最寄りのコンビニ(セブンならコピー機。ローソン系列ならローチケなど)で購入可能。
展示にあわせて購入コードが変化しますので小まめにチェックしましょう。

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直前までこの情報を知らなくて、教えてくださったTwitterのフォロワーさんに感謝です。


初日

今回の出発点は大阪。新大阪発の名古屋行きに乗ります。
休みは行列との情報を得ていたので徳川美術館の10:00の開館に間に合うように行動しました。
名古屋駅に到着後、ドニチえこきっぷを購入して早速バスで最寄り駅へ。去年と同じルートです。

初日の散策

名古屋駅スタートで「徳川園新出来」停留所下車へ。
そこから徒歩5分ほどで行けます。
まずは、売り切れ必至の芳光さんでわらび餅を買って食べておきます。おいしい!

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そして、徳川美術館へ。

徳川美術館は早速刀剣展示の行列

前売券があるので会場にあわせて入り口へ。
すると、すぐに刀剣展示。ですが、行列想定の道案内です。
前売り券ありの開館時間到着でも並ぶことになりました。


名物刀剣4振

20分ほど並べばご対面。まずは前列で印象を頭にいれたあとは、後列からじーっくり単眼鏡を駆使します。
その後、徳川園にいっては見なおしたり蓬左文庫に行っては並んだりと何度も時間をかけて鑑賞。
全体的に照明が弱かったり行列になったりしましたが、見たい物を朝から晩までみることができて満足です!

本作長義

  • 光の当たりぐあいが一番弱くてちょっぴり残念
  • スマートさよりスタイリッシュな荒々しさ -『大互の目乱れ、乱れの谷に小乱れ交じる』
    • 大きな激しいギザギザの波の合間に小さな波のような刃文
    • これが山の峰に見えるのが魅力を感じます
  • 大鋒で身幅広い

典型的な南北朝時代の姿見しててそれでいて個性的。
今回、そこから特に印象は変わってないですがいいですよねー。

物吉貞宗

  • 𠮷、じゃなくて物
    • 前回は、あまり見ていなかったのでじっくりと
    • 最近は貞宗が好み
  • 直前に切羽(刃)貞宗伏見貞宗を見ていたので彫り物に注目
  • 彫物注目だったが、刃文の荒々しさに目がいった作
  • 刃文の玉焼の箇所が目立っていて幸運のマークみたい
  • 鋒のスタイルが好み

注目点は、反っていることがよく見るとわかる点ですかね。短刀と違う脇差感あります。

鯰尾藤四郎

  • 今回、一番印象が変わったのが鯰尾
    • 前回は、のっぺりとした尾のような鋒の印象だけでしたが今回は、そのよさが見えました
  • 銘の吉光が今まで見た銘のなかでも大きい
  • 重ねも厚い

横手なく鵜首作りの特徴的な刃先までの形状が黒髪ロングのウェーブ感な魅力 に目を奪われました。

後藤藤四郎

  • 今回のお目当てのお初見え
    • 照明が一番よく当たっていた
  • 地鉄をはっきりと見ることができた
  • 沸づきの鋒の火焔っぷりが特徴的
  • 毛先のようにはねた刃文(小足がたくさん出ている)
    • 直刃調にのたれ気味なのでこの小足がいい味出してる -それほど短いわけでもないが小さくは見える
    • ※ 長さの点では名物の中だと平野藤四郎の次ぐらいだそうです

無数の小足の刃文と火焔帽子が、刀剣乱舞の後藤くんの髪の毛のハネ具合をイメージさせますね。

徳川美術館まわりの散策はダイジェストです!

特別展の浮世絵はもちろん見たのですが、ここは刀剣関係をダイジェストでおおくりします。






今回の旅は語ることが多いのであとはハッシュタグで旅の流れでも。

初日の感想

1日中、徳川美術館まわりにいるとは思いませんでしたが、十分楽しみました。
お昼は宝善亭でお昼をいただき、夜はいば昇でひつまぶしも食べて観光してますねー。
蓬左文庫で読んだ図説刀剣名物帳は今までみたどの古書より名物の押形が充実していて欲しいなー。
※ ちなみに乱、ニッカリ、数珠丸、大倶利伽羅、厚、信濃らの押形も印刷できたので今はこれで十分


2日目

ホテル宿泊後、朝から動きます。
名古屋城の本丸会場時間の9:00にあわせての出発です。
お目当ては刀剣展示。その後、熱田神宮を散策します。

名古屋城

私は、真ん中から入場して少し歩くことになって右側の受付から本丸を目指しました。

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GWらしく朝から人は多かったので1時間だけ刀剣展示を堪能することができました。

刀剣展『~尾張に伝わる刀剣~』

展示期間は、平成28年4月23日〜6月12日まで。
名古屋城天守閣 1階展示室なので、入り口すぐです。
展示品は刀剣類10品。以下、公式より引用します。

刀  銘  國廣(くにひろ)
刀  無銘 安綱(やすつな)
刀  銘  正真(まさざね)
刀  無銘 青江(あおえ)
刀  無銘 左 国弘(さのくにひろ)
脇差 銘  桑名住 村正(むらまさ)[初代]
短刀 銘  兼定(かねさだ)
太刀 銘  備州長船住 兼光(かねみつ)
太刀 銘  備州国分寺住 助国(すけくに)
長巻 銘  五拾本内 大慶直胤(たいけいなおたね)

会場パンフレットの注釈はこちら。
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気に入った刀剣のピックアップ

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今回は10:00から日本美術刀剣保存協会名古屋支部の会員の質問コーナーがありましたのでそちらで質問。

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そのとき感じたメモを交えて印象に残った刀剣の感想です。

  • 数字は右から展示順の番号
  • 今回の展示は、愛刀家所有のいいものをそろえた
  • 実は、今回の刀剣、尾張関係ないんじゃないの?というぶっちゃけトーク
  • やっぱり、手に取らないと刀剣は!というお話を聞けました


  • 1 刀 銘 國廣
    • 鋒のコントラストが市松模様でおもしろいなと感じた(他の展示でも同様の感想を持ちました)
  • 3 短刀 銘 兼定
    • 之定ですって
    • 兼定で直刃なんだなーとまじまじと
  • 2 刀 無銘 安綱
    • 安綱で大乱れとは珍しい!
    • 本阿弥光温の折紙つきらしい
    • 幅・大きさが広くて大胆な刃文
    • 質問コーナーで陶器などと違い刀剣は在銘物が多いので無銘であっても信頼性が高いとのこと
  • 4 脇差 銘 桑名住 村正(むらまさ)[初代]
    • 初代です。有名なのは2代目。
    • 地鉄がたいへん見やすい短刀でした。
    • 質問コーナーで徳川家の村正ネタでそれでも徳川美術館さんに20数本あるの不思議ですねというお話も
    • 村正の村の字を消して保有した人たちも(薬師寺の刀剣展示でもこの話ありました)


  • 7 刀 無銘 青江
    • 今回の個人的にピカイチですねー
    • どうも私、青江、それも古青江派が好きみたいで。拵えも見事です。
    • 縮緬肌であってると思うんだけどなー
    • 地鉄もよく見えました
    • あー。中直刃の美しさよ拵のエビよ
  • 9 太刀 銘
    • 場所が場所だけに震災対策として太刀なのに刃先を上にして展示(傷つけないため)
    • 10の長巻も同様に。銘が見えるように展示はしている。

他の刀剣の写真も全部ありますが、あとは展示でお好みの刀を見つけてみてください。

名古屋城のイベントで火縄銃を見ることができた


空砲ですが、これを見るためにわざわざGWの日を選択しました。
かっこいいぶっぱなしを見ることができて満足です。
あと、うれしいことにTwitterでつながりある方にお声がけいただき楽しい時間をすごすことができました!


熱田神宮

さきほどの散策マップの市役所駅より神宮前駅へ南下すれば熱田神宮の最寄り駅です。
おひるをさくっといただき、宝物館へ。
参拝して御朱印をもらい、戻ってふたたび宝物館でじっくり刀剣展示です。


熱田神宮宝物館 刀剣展示の感想

  • 刀は20振ほど
  • 熱田神宮宝物館ぐらいゆっくり見ることができる展示がいいですよねー。
  • ふつうの刀と重文の刀とで照明のあて方や質が違うのがおもしろい
    • 去年見たときもそうだったが解説ほんと丁寧
    • ふつうの刀はなぜふつうなのかわかる見所解説(けっこうバッサリでも納得)なのが好き
  • 今月(毎月展示変化する)は武具の展示もある日で奉納用の直刀がみどころあり
    • 現代刀だけど史実にそったつくり
    • 丸棟の切刃造り両面にあるところ、ほんとまっすぐで鋒の帽子がかくーんと焼かれていて(焼詰帽子)直刃な点
    • わっかりやす柾目肌。きれいな線状。
  • 他の展示にカツオの目抜きがあってなんか笑ってしまった
  • 蜘蛛切丸は厚くんまでいかないけど重ねぶ厚かった
    • ほんとゲームに登場しそうな形と印ついてるよねー
  • 両刃直刀奉納用の吉光も実はあって肌がキレイです

蜘蛛切丸もよいですが、重文の二振りに注目です。

「短刀 長谷部国信(藤原藤吉) 重文」

  • 刃長が22.3cmとちっちゃい
    • 図録には、同作の数少ない小ぶりの短刀とのこと
    • 解説より長谷部はのたれ+互の目の刃文だがこの国信はのたれ。それも大胆。
  • 皆焼風はわかりにくかったけど飛焼箇所ははっきり
    • なにより湯走りっぷりが雲みたいでステキだった
  • 鋒がふくら枯れてスマート

「短刀 国光 徳治三(以下切)重文」

  • 年代が銘よりよみとれる1308年
  • やっぱり新藤五国光好きだー
    • 短刀の直刃はこの人がほんと好み
    • ミリ単位の細直刃最高
    • 肌がよくはえる!
    • 小板目肌よくつんで刃先の金筋がくっきり(しかも二重平行線のような流れがステキ)
    • 鉄の色が「青くさえて潤いあり」これがなんとも美しい。解説のまま。
  • 少しだけ磨り上がって国光の光がちょっとだけかけているのがおもしろい
  • 身幅広い短刀だった

太郎太刀ともご対面


じっくり見ることができたのでハート型の猪目の特徴に気づけました。
また図録の次郎太刀の追記がうれしく、帯には太郎太刀。ポスターになりますね。
とうらぶを意識してくださっているのかな?と改訂後のバージョンアップがうれしい内容です。

名古屋駅

スタートの名古屋駅に戻って味噌煮込みうどんを食べて名古屋編は終了です。


名古屋編から京都編へ

これで1泊2日の充実した刀剣遠征の旅、名古屋編は終了です。
徳川美術館さんは今年の刀剣展示の予告があるとおり、いろいろやってくれそうですね。
次は、京都編です。去年見た鬼切というかとうらぶ影響で髭切をまた見に行くぞ!