前回の兵庫編に続き今回の刀剣遠征の旅は名古屋です。
徳川美術館さんが後藤藤四郎を展示するとのことなので、見に行きました。
また、去年、鯰尾藤四郎と物吉貞宗と本作長義を見に行ったとき以上に名古屋を楽しむ旅を計画しました。
初日の一言レポート
徳川美術館さんのとうらぶ歓迎お土産。刀剣しおりは情報どおり長義以外は売り切れ。欲しかったのはこれなのでOK。鯰尾藤四郎カラフルゼリーや「物吉貞宗のあなたのこころに幸せ運ぶ甘くてかわいいハートパイ❤️」。力いれてる。 #とうらぶ男子 pic.twitter.com/do5lyIcURt
— ないな (@poponainai) May 3, 2016
※ 写真のとおりでしおりは5/17から入荷予定です。お見逃し無く。
2日目の一言レポート
太郎太刀の拵にはハート型の猪目(いのめ)が3箇所。目貫きもハート型なのでハートの形つくる太郎太刀を妄想。そういえば?記憶たどったら刀剣宝物ブログさんのレポも同じ感想!! https://t.co/wWQIn1Otg3 #とうらぶ男子 pic.twitter.com/pbHxmNg6Dt
— ないな (@poponainai) May 4, 2016
※ 目貫きといってますが目釘ですね
※ 訂正:刀剣訪問ブログさんですね。記事はこちら。
まとめ
- GWの徳川美術館は混んでいたが前売り券の情報のおかげで計画的に刀剣を見ることができた
- 名古屋城の刀剣の展示物はすばらしかったが人混みには勝てなかった
- 熱田神宮宝物館の刀剣展示物は解説があいかわらずすばらしく、また、太郎太刀はハート型な点を発見した
徳川美術館
説明は前回の記事参考で。
徳川美術館さんの情報はTwitterみましょう!それで十分です。
ミュージアムショップも充実しているし、インターネットの使い方うまいし商売上手ですね。
よっしゃ、やります!決めました!!名古屋の徳川美術館はやっちゃいます!!!皆様の第5の声にお応えして【鯰尾・後藤・本作長義・物吉】大人気四振揃い踏みでの一挙公開をここに発表いたします!展示期間は4/19~5/17。今すぐ手帳に赤ペンで花丸、万障お繰り合わせちゃってくださいね!
— 徳川美術館 (@tokubi_nagoya) February 24, 2016
ぶらり浮世絵散歩 -平木名品コレクション-
特別展示のメインは浮世絵展示。会期は、2016年4月16日 (土) ~ 2016年5月29日 (日)。
目録(PDF)には刀剣もちろんありません。
どこに、刀剣が展示されるのでしょうか?
第1展示室 武家のシンボル-武具・刀剣-に刀剣が展示
入り口すぐの常設展示。ここに刀剣関連が展示されます。
目録(PDF)はこちら。
お目当ての名物刀剣は展示期間Aの区分なので、4月19日(火)~5月17日(火) までですのでご注意を。
移動手段
- ドニチえこきっぷを使ってお得度の高いバスと地下鉄のルートを使う
- のんびり移動時間を使えるなら徳川美術館内に止まる巡回バスのメーグル。1日券もある。
- 熱田神宮へバスを使わないならお得度がなくなるので個別に支払い(名鉄に乗ると1日券対象外)
といったところですね。
私はメーグル乗りたかったのですが、初日はドニチえこきっぷで元とれずで2日目は個別支払いでした。
1日券を上手に使えなかったですねー。いつもそんな気がしますけどね!
準備
お目当ては刀剣ですが、観光しつつ今回はややゆっくりとまわれるコースにしました。
徳川美術館へは前売券を購入しておきましょう
- 1,200円の特別展が1,000円で購入可能
- 隣接する徳川園も300円のところ150円で利用可能
- 人気の美術館のため開館時間からチケット購入行列ができますがそれを横目に入場可能
メリットが非常に大きく公式ページでも案内しています。
最寄りのコンビニ(セブンならコピー機。ローソン系列ならローチケなど)で購入可能。
展示にあわせて購入コードが変化しますので小まめにチェックしましょう。
直前までこの情報を知らなくて、教えてくださったTwitterのフォロワーさんに感謝です。
初日
今回の出発点は大阪。新大阪発の名古屋行きに乗ります。
休みは行列との情報を得ていたので徳川美術館の10:00の開館に間に合うように行動しました。
名古屋駅に到着後、ドニチえこきっぷを購入して早速バスで最寄り駅へ。去年と同じルートです。
初日の散策
名古屋駅スタートで「徳川園新出来」停留所下車へ。
そこから徒歩5分ほどで行けます。
まずは、売り切れ必至の芳光さんでわらび餅を買って食べておきます。おいしい!
そして、徳川美術館へ。
徳川美術館は早速刀剣展示の行列
前売券があるので会場にあわせて入り口へ。
すると、すぐに刀剣展示。ですが、行列想定の道案内です。
前売り券ありの開館時間到着でも並ぶことになりました。
徳川美術館開館。前売り券あってもすごい行列。刀剣すでに行列だー。 #とうらぶ男子 pic.twitter.com/wMVU144hAB
— ないな (@poponainai) May 3, 2016
名物刀剣4振
20分ほど並べばご対面。まずは前列で印象を頭にいれたあとは、後列からじーっくり単眼鏡を駆使します。
その後、徳川園にいっては見なおしたり蓬左文庫に行っては並んだりと何度も時間をかけて鑑賞。
全体的に照明が弱かったり行列になったりしましたが、見たい物を朝から晩までみることができて満足です!
本作長義
- 光の当たりぐあいが一番弱くてちょっぴり残念
- スマートさよりスタイリッシュな荒々しさ
-『大互の目乱れ、乱れの谷に小乱れ交じる』
- 大きな激しいギザギザの波の合間に小さな波のような刃文
- これが山の峰に見えるのが魅力を感じます
- 大鋒で身幅広い
典型的な南北朝時代の姿見しててそれでいて個性的。
今回、そこから特に印象は変わってないですがいいですよねー。
物吉貞宗
- 物
𠮷
、じゃなくて物吉
- 前回は、あまり見ていなかったのでじっくりと
- 最近は貞宗が好み
- 直前に切羽(刃)貞宗、伏見貞宗を見ていたので彫り物に注目
- 彫物注目だったが、刃文の荒々しさに目がいった作
- 刃文の玉焼の箇所が目立っていて幸運のマークみたい
- 鋒のスタイルが好み
注目点は、反っていることがよく見るとわかる点ですかね。短刀と違う脇差感あります。
鯰尾藤四郎
- 今回、一番印象が変わったのが鯰尾
- 前回は、のっぺりとした尾のような鋒の印象だけでしたが今回は、そのよさが見えました
- 銘の吉光が今まで見た銘のなかでも大きい
- 重ねも厚い
横手なく鵜首作りの特徴的な刃先までの形状が黒髪ロングのウェーブ感な魅力 に目を奪われました。
後藤藤四郎
- 今回のお目当てのお初見え
- 照明が一番よく当たっていた
- 地鉄をはっきりと見ることができた
- 沸づきの鋒の火焔っぷりが特徴的
- 毛先のようにはねた刃文(小足がたくさん出ている)
- 直刃調にのたれ気味なのでこの小足がいい味出してる -それほど短いわけでもないが小さくは見える
- ※ 長さの点では名物の中だと平野藤四郎の次ぐらいだそうです
無数の小足の刃文と火焔帽子が、刀剣乱舞の後藤くんの髪の毛のハネ具合をイメージさせますね。
徳川美術館まわりの散策はダイジェストです!
特別展の浮世絵はもちろん見たのですが、ここは刀剣関係をダイジェストでおおくりします。
徳川美術館さん。刀剣の展示だけ現在1時間まちのアナウンス。80人ぐらいは並んでますねー。まだ伸びてますが聞いたらこれでも初日に比べたら少ないそうです。
— ないな (@poponainai) May 3, 2016
後列は遠くて光の当て方もむずかしいので行列の見極め必要ですね #とうらぶ男子 pic.twitter.com/gwe5baHPkQ
徳川美術館さんで今回の刀剣を含む図録「徳川美術館の名刀」を買いたいかたは、7月中旬発売のこちらを。ミュージアムショップではなく、専用コーナーが別に用意されているので申し込むとよいかと。発送も承っておりました。 #とうらぶ男子 pic.twitter.com/eLbAmPwcqq
— ないな (@poponainai) May 3, 2016
刀剣はたっぷり鑑賞。後列と単眼鏡の組み合わせで見たい箇所は見れた。後藤藤四郎は髪の毛のハネ具合がそのまんま刃文と火焔帽子だねー。
— ないな (@poponainai) May 3, 2016
再入場の印鑑おしてもらって天気のいいうちに徳川園を散歩です。 #とうらぶ男子 pic.twitter.com/18mcfcEwdC
徳川美術館の展示室でもある蓬左文庫。実は資料室がある。白黒のみの1p10円で本を印刷可能(個人目的)。
— ないな (@poponainai) May 3, 2016
ここに図説刀剣名物帳 (1970年)があるので、物吉、鯰尾、後藤の押形と解説をA3で印刷して挑んだ。30円。 #とうらぶ男子 pic.twitter.com/nUOY9JJ7S6
ラストは生菓子の芳光さん。朝、売り切れ必至のわらび餅を楽しみ、帰りはういろうの皮で白味噌とあんをつつんだ上品な生菓子の蝶々。一息ついたー。今日の予定これで終わり! #とうらぶ男子 https://t.co/b0peLkWMrt pic.twitter.com/7I11USd1dz
— ないな (@poponainai) May 3, 2016
今回の旅は語ることが多いのであとはハッシュタグで旅の流れでも。
初日の感想
1日中、徳川美術館まわりにいるとは思いませんでしたが、十分楽しみました。
お昼は宝善亭でお昼をいただき、夜はいば昇でひつまぶしも食べて観光してますねー。
蓬左文庫で読んだ図説刀剣名物帳は今までみたどの古書より名物の押形が充実していて欲しいなー。
※ ちなみに乱、ニッカリ、数珠丸、大倶利伽羅、厚、信濃らの押形も印刷できたので今はこれで十分
2日目
ホテル宿泊後、朝から動きます。
名古屋城の本丸会場時間の9:00にあわせての出発です。
お目当ては刀剣展示。その後、熱田神宮を散策します。
名古屋城へ
私は、真ん中から入場して少し歩くことになって右側の受付から本丸を目指しました。
GWらしく朝から人は多かったので1時間だけ刀剣展示を堪能することができました。
刀剣展『~尾張に伝わる刀剣~』
展示期間は、平成28年4月23日〜6月12日まで。
名古屋城天守閣 1階展示室なので、入り口すぐです。
展示品は刀剣類10品。以下、公式より引用します。
刀 銘 國廣(くにひろ) 刀 無銘 安綱(やすつな) 刀 銘 正真(まさざね) 刀 無銘 青江(あおえ) 刀 無銘 左 国弘(さのくにひろ) 脇差 銘 桑名住 村正(むらまさ)[初代] 短刀 銘 兼定(かねさだ) 太刀 銘 備州長船住 兼光(かねみつ) 太刀 銘 備州国分寺住 助国(すけくに) 長巻 銘 五拾本内 大慶直胤(たいけいなおたね)
会場パンフレットの注釈はこちら。
気に入った刀剣のピックアップ
今回は10:00から日本美術刀剣保存協会名古屋支部の会員の質問コーナー
がありましたのでそちらで質問。
そのとき感じたメモを交えて印象に残った刀剣の感想です。
- 数字は右から展示順の番号
- 今回の展示は、愛刀家所有のいいものをそろえた
- 実は、今回の刀剣、尾張関係ないんじゃないの?というぶっちゃけトーク
- やっぱり、手に取らないと刀剣は!というお話を聞けました
1「刀 銘國廣」鋒のコントラストが市松模様になってね?とふしぎ。
— ないな (@poponainai) May 4, 2016
3「短刀 銘 兼定」まだかの之定の初期で直刃。合口拵がオシャレでした。 #とうらぶ男子 pic.twitter.com/I4pWhhzfqF
- 1 刀 銘 國廣
- 鋒のコントラストが市松模様でおもしろいなと感じた(他の展示でも同様の感想を持ちました)
- 3 短刀 銘 兼定
- 之定ですって
- 兼定で直刃なんだなーとまじまじと
- 2 刀 無銘 安綱
- 安綱で大乱れとは珍しい!
- 本阿弥光温の折紙つきらしい
- 幅・大きさが広くて大胆な刃文
- 質問コーナーで陶器などと違い刀剣は在銘物が多いので無銘であっても信頼性が高いとのこと
- 4 脇差 銘 桑名住 村正(むらまさ)[初代]
7「刀 無名 青江(備中)」。好みピカイチ。縮緬肌よく見える。無銘ですが茎少し赤い?と質問したら朱銘のあとが見えるからとのこと。消えかけなるほど。注意は折紙ないし本阿弥とは限らないとのこと。中直刃キレイで拵もエビ! #とうらぶ男子 pic.twitter.com/mQWUFSPr3o
— ないな (@poponainai) May 4, 2016
- 7 刀 無銘 青江
- 9 太刀 銘
- 場所が場所だけに震災対策として太刀なのに刃先を上にして展示(傷つけないため)
- 10の長巻も同様に。銘が見えるように展示はしている。
他の刀剣の写真も全部ありますが、あとは展示でお好みの刀を見つけてみてください。
名古屋城のイベントで火縄銃を見ることができた
名古屋城前のイベントで火縄銃(空砲)のぶっぱなし。これ見たかったんだー。 pic.twitter.com/v1j8ceeFSn
— ないな (@poponainai) May 4, 2016
空砲ですが、これを見るためにわざわざGWの日を選択しました。
かっこいいぶっぱなしを見ることができて満足です。
あと、うれしいことにTwitterでつながりある方にお声がけいただき楽しい時間をすごすことができました!
熱田神宮へ
さきほどの散策マップの市役所駅より神宮前駅へ南下すれば熱田神宮の最寄り駅です。
おひるをさくっといただき、宝物館へ。
参拝して御朱印をもらい、戻ってふたたび宝物館でじっくり刀剣展示です。
熱田神宮の宮きしめんおいしかった。並んでもすぐに行列はけるし注文したら1分でできる即席がありがたい!白しょうゆ仕立ての白エビかき揚げきしめん。おしかったー。 #とうらぶ男子 pic.twitter.com/NRJDSYj9iq
— ないな (@poponainai) May 4, 2016
熱田神宮宝物館 刀剣展示の感想
- 刀は20振ほど
- 熱田神宮宝物館ぐらいゆっくり見ることができる展示がいいですよねー。
- ふつうの刀と重文の刀とで照明のあて方や質が違うのがおもしろい
- 去年見たときもそうだったが解説ほんと丁寧
- ふつうの刀はなぜふつうなのかわかる見所解説(けっこうバッサリでも納得)なのが好き
- 今月(毎月展示変化する)は武具の展示もある日で奉納用の直刀がみどころあり
- 現代刀だけど史実にそったつくり
- 丸棟の切刃造り両面にあるところ、ほんとまっすぐで鋒の帽子がかくーんと焼かれていて(焼詰帽子)直刃な点
- わっかりやす柾目肌。きれいな線状。
- 他の展示にカツオの目抜きがあってなんか笑ってしまった
- 蜘蛛切丸は厚くんまでいかないけど重ねぶ厚かった
- ほんとゲームに登場しそうな形と印ついてるよねー
- 両刃直刀奉納用の吉光も実はあって肌がキレイです
蜘蛛切丸もよいですが、重文の二振りに注目です。
「短刀 長谷部国信(藤原藤吉) 重文」
- 刃長が22.3cmとちっちゃい
- 図録には、同作の数少ない小ぶりの短刀とのこと
- 解説より長谷部はのたれ+互の目の刃文だがこの国信はのたれ。それも大胆。
- 皆焼風はわかりにくかったけど飛焼箇所ははっきり
- なにより湯走りっぷりが雲みたいでステキだった
- 鋒がふくら枯れてスマート
「短刀 国光 徳治三(以下切)重文」
- 年代が銘よりよみとれる1308年
- やっぱり新藤五国光好きだー
- 短刀の直刃はこの人がほんと好み
- ミリ単位の細直刃最高
- 肌がよくはえる!
- 小板目肌よくつんで刃先の金筋がくっきり(しかも二重平行線のような流れがステキ)
- 鉄の色が「青くさえて潤いあり」これがなんとも美しい。解説のまま。
- 少しだけ磨り上がって国光の光がちょっとだけかけているのがおもしろい
- 身幅広い短刀だった
太郎太刀ともご対面
よっ!太郎太刀。去年ぶりー。
— ないな (@poponainai) May 4, 2016
今日はゆっくり熱田神宮を周回するぞ!
宝物館の改定後の次郎太刀の解説追記された図録は改定前持っているけどもう一度ゲットだー。TLで知ったけど明らかに明るさの違う写真(蜘蛛切丸)あるねー。 #とうらぶ男子 pic.twitter.com/OEP3XrmEHd
じっくり見ることができたのでハート型の猪目の特徴に気づけました。
また図録の次郎太刀の追記がうれしく、帯には太郎太刀。ポスターになりますね。
とうらぶを意識してくださっているのかな?と改訂後のバージョンアップがうれしい内容です。
名古屋駅へ
スタートの名古屋駅に戻って味噌煮込みうどんを食べて名古屋編は終了です。
名古屋編から京都編へ
これで1泊2日の充実した刀剣遠征の旅、名古屋編は終了です。
徳川美術館さんは今年の刀剣展示の予告があるとおり、いろいろやってくれそうですね。
次は、京都編です。去年見た鬼切というかとうらぶ影響で髭切をまた見に行くぞ!