待ちに待った佐野美術館の刀剣展示。
今年の締めにふさわしい前期展示と来年も楽しめる後期展示。そして、今回の特別展示。
2日間限定で、小夜左文字と愛染国俊が展示されるとのことで2日目に行ってきました。
一言レポート
佐野美術館でお小夜と愛染を中心に刀剣を見てきた。
— ないな (@poponainai) 2016年11月13日
その時、去年、生駒光忠を展示していた場所で渡邊館長とお会い。挨拶して刀剣が生駒光忠が伏見貞宗が好きで、館長のおかげですと言えてうれしかった。アドバイス求めたら「名刀を見続けてください」と優しく。刀剣が好きです!#とうらぶ男子 pic.twitter.com/lLizF43Gtf
まとめ
- 小夜左文字はかわいい肌。この肌の輝きは他にない断トツのキラキラ感で独特の返しもよい。
- 愛染国俊は、脇差に見える幅広さで反りがわかる鋒。茎の二字国俊が目立ち、愛染明王は1円玉サイズ。
- この日限定のもう一振は、熊野三所権現長光。パーフェクトの出来で、長光の秀才っぷりを再認識。
名刀は語る 磨きの文化
毎年、一回は行われる佐野美術館の大型の刀剣展示で今回は50周年記念展です。
2016/11/12日から2017/2/19までの前後期制。
前期が、12/23までなことにご注意。目録(PDF)はこちらです。イベントや諸注意もご確認を。
日本刀剣博物技術研究財団さんの展示
いつもの、この方々。保有刀剣を眺めているだけでため息がでますね。
佐野美術館の展示協力を得て、11/12,13日限定で小夜左文字と愛染国俊が公開されます。
また、12/4までに限定で公開される幅広貞宗や熊野三所権現長光などの豪華な刀剣たちを見ることができます。
三島市・「刀剣乱舞-ONLINE-」コラボレーション企画
【「刀剣乱舞-ONLINE-」コラボ企画第1弾】11/12(土)~2/19(日)、佐野美術館に刀剣男士「蜻蛉切」と「太鼓鐘貞宗」の等身大パネルを展示!合わせて、描き下ろしイラストも展示します。#刀剣乱舞 #とうらぶ https://t.co/GGO9puWjrs pic.twitter.com/1mpq1AqYh0
— 三島市 (@MishimaCity) 2016年11月1日
今回、三島市とニトロプラスが協力のもと、刀剣乱舞のコラボが展開されます。
展示開始日から、おっきいこんのすけの登場やパネル展示と盛り沢山。
スタンプラリーは、12/3(土)からスタート。なお、1/31までです。
どうやって行くの?
佐野美術館の公式より最寄り駅は、伊豆箱根鉄道線の三島田町駅で徒歩5分。
JRの三島駅からすぐですが、電車の本数は少ないので時刻表を参考に時間にはご注意。
ちなみに美術館へはJR三島駅からだと徒歩20分以上かかりますが、途中、三嶋大社によることもできます。
お得情報
- 前売券ありました
- 開始前なので今は売り切れですが、展示のこまめなチェックはオススメ
- 半券があれば2回目は二割引
- 今回だと、1回目は1,000円。2回目は半券提示で800円ってことですね。
当日
審神者の朝は早い。行くぜ行くぜ行くぜー!
— ないな (@poponainai) 2016年11月12日
JR三島駅へ。先に三嶋大社によってから佐野美術館へ。
貞ちゃんに蜻蛉切と様々な名刀が展示されるのですが、大混雑の中、ひたすらお小夜を見てきました。
お昼ごはんはあらかじめ抜く覚悟の気合の入れようで本気の観賞です!
初日情報より行列覚悟
初日組の情報より、混雑と行列は想定できたので、朝から並んで目当の二振を中心に見ることを決めました。
三嶋大社によってみよう
JR三島駅には8:00すぎについたのですが、佐野美は9:00から並ぶお約束。
のんびりはできないですが、歩きたくなりまして、下見気分で参拝してきました。
七五三のおめでたい雰囲気と木漏れ日を浴びながらの朝の三嶋大社。心が穏やかになりますね。
時間に間に合わないぞと思いながらものんびりです。
3時間まちといわれて
9:10到着で列に並んだ結果。
— ないな (@poponainai) 2016年11月13日
まだ、時間が書き込まれていない最後尾の看板を見せてもらいながら「どれくらいかかりますか?」「...3時間ですかね?もっとかかるかもしれないです。」目の前に佐野美術館が見えるのに遠いなー。ま、のんびりー。 pic.twitter.com/pb1sCERntD
9:10頃に佐野美術館へ歩いて到着です。
この時間帯から列形成をしているとお聞きしましたが、すでに門外スタートで美術館が見えません。
しかし、2日目だけあって迅速に列が整えられて進むのでストレスがなかったですね。
なお、行列中はずっと本を読んでいて、なぜかちょっと内容に感動して涙ぐんでいたのはここだけの秘密です。
11:30にようやく入館
入り口のこの看板にたどりつくまで時間がかかりました。
テンションあがりますね。
そして、入場券提出前の注意書きがこれですよ。
楽しみにしていたお小夜と愛染は1分しか見ることができないのか!とびっくりしました。
とりあえず、そのまま持っていた前売り券を渡して入場です。
貞ちゃんと蜻蛉切
コラボ展示のパネルがお見え!うれしいですねー。
この入口にあるパネルは撮影可能となっておりました。
館内の写真撮影はミュージアムショップと展示そのものが禁止ですね。
小夜左文字と愛染国俊との一瞬の時間
まとまった人数それも10人固定で列が移動され、そのままお小夜の列へつれていかれました。
うまいこと先頭に。初日組の情報をたよりに即しゃがむと圧倒的な小夜左文字の美がそこに。
今でも思い出すことができますが、他にない地沸の輝きの肌でした。あれはすごいファーストインパクト。
お小夜ガチャでぐーるぐる
愛染の銘も確認したので、これでおしまいかと思いましたが係の人に聞くと実は何回でも見ていいそうです。
よって、この日は気兼ねなくグルグルとお小夜めぐりをしていました。
お昼をぬく覚悟で先に食事を済ませていて正解でしたね。
渡邉館長とお話することができた
グルグルと列に並んでいたときのこと。
ふと目を向けると、渡邉館長の姿が。三度見しながら近づいて直接お話をすることができました。
去年の刀剣博物館の公演で初めてお話を聞くことができたこと。
去年の佐野美で帰り際、生駒光忠を「人間がつくったものか」と最大のほめ方をしていたことを聞いたこと。
講演で聞いた、伏見貞宗を見に行くことができ、同じく感動することができたこと。
短い時間の中で、刀剣が好きなこと、渡邉館長の影響を大いに受けていることを伝えることができました。
男性もこの機会に増えて欲しいというお話と、是非、佐野美術館の講座にも来てくださいとのお言葉も。
そして、アドバイスを求めたら名刀を見続けてください
と。うれしかったですね。
ほんと、刀剣が好きになっちゃいましたよね。
刀剣感想
さて、今回は、特別展示の3口を中心に見てきましたが、もちろん次回のために一周もしています。
一瞬の印象を目に焼き付けて好みを探すのもまた楽しみなので、混雑してましたがちょうどよかったです。
特に、蜻蛉切と太鼓鐘貞宗には時間をかけたので、メモしたことをレポートします。
名物 小夜左文字
聞いた通りで、左側の窓にへばりつきしゃがまないと刃文が見えない。 運良く一番前でファーストインスピレーションをゲット。 なんて、かわいい肌だ!湯走探せたし、この肌の輝きを俺は知らない。 お小夜の笑顔としかいいようがない。ダントツでよかった。あのキラキラ!独特の返しも見えた!
これ、未だに思い出すのですが、この肌の感じは今までに見た刀剣のどれともあてはまらないです。
このあと、できの良い左文字も見るのですが、差は歴然としてますし、他の短刀見てもここまでのものは経験なし。
大変、よい代物を見ることができました。
名物 愛染国俊
事前調査どおりで、もはや脇差に見える幅広さ、反りがわかる鋒。 茎の二字国俊でっか!愛染明王ちっちゃ!1円玉サイズ。太まゆげか!って思わせる匂の深い刃文あり。 肌がおや?なんだこれはと解説見たら「無垢肌」ってなんだ。 「鉄の純度が高い」ってなんだ。見どころ以上に姿な旧国宝。
匂がぐっと入った刃文も魅力的でしたが、その姿と肌もすばらしかった。
実は、裏にも彫りがありそれが大きい愛染明王なんですよね。
その姿も見たかったですね。
国宝 熊野三所権現長光(太刀
初めて長光をすごいと感じた。一言でパーフェクト。 百点満点の出来ってのを初めて見たかも。 小丁子の刃文の変化が何種類あるんだと思わせる変化っぷりに小互の目少し。 足!足!足!な丁寧変化も初めて見た。 鍛えがまたつんで美しい。どっしり色の茎にちっちゃい銘。
長光はいつも光忠とくらべてしまい、天才と秀才の差と個人的には感想を持っていました。
いくつか国宝や大般若経長光も見たのですが、これは本当にすごかったです。見応えありました。
これで映りが大海原をおもわせるんですよ。最強かよって感じでした。
蜻蛉切
蜻蛉切に首ったけ。 彫り物を鏡ごしに見せるだと!?顔を見たければ鏡を見ろと! 男は背中だと言いたいかのような見事な三角筋いや三角錐みせ。 表どっちってなるが、この見事な熊笹な姿は肌と合わせてドキドキする。 これが、蜻蛉切を一番かっこよく見せる方法です、を見せつけられた。これは三名槍。
実際は、表側の展示で裏が梵字になるのですが、男の背中を思わせるかっこよさでした。
近くの椅子にすわってずっと見ているぐらいには夢中でしたね。
通期展示なので、何度か見てもっと魅力を感じたいです。
太鼓鐘貞宗
ほんまや船形やな茎。肌がキレッキレなタイプ。 則重っぽさを指摘されるように松川肌に見えてくる。肌だちすぎて。 刃中の変化も楽しくて自己主張高いガンガン行くぜ!な感じがあっていい変化。 はばき有りで見たかった樋の根元見えず。樋のすきまの大きさは別の彫物したかったのでは妄想。
松川肌は言い過ぎですが、肌探しが楽しかったです。
事前評判でも後評判でも研ぎがもう少し入ったのを見たいとの感想を聞きますが、十分かと。
貞宗?っていわれるとあまり見ない形ですが、短刀のこの形は珍しくておもしろいです。
幅広貞宗
貞宗好きには外せない幅広貞宗の紹介忘れてた。 亀甲貞宗見てるとでっか!幅ひっろがよくわかる。 のたれのゆったりさと美人肌。定番の彫り物。あーこれこれ貞宗。 そして、茎付近に引っ掻いたかのようキラキラのギザギザの跡が気になってしかたない。 映りでも刃文でもない。謎がとけないので調べるか。
安心の美肌でした。茎付近のギザギザはひっかきキズにしては目立ちすぎなんですがわからず。
その中でも鍛えの折り返しのよさがわかるほどに鍛錬さが伝わります。
こちらは、12/4までです。
一周してよかった前期展示の刀剣たち
- 19の当麻:これは目につきますね。一瞬見た中の印象でも強いです。当麻けっこう好きかも。
- 21の正宗:正宗が未だによくわかってないのですが、こちらはぐっときました。また見たい。
- 26の柄傘:よく図録に載っていますが、傘の銘が非常にかわいいですね
- 28の一文字:金象嵌が栄える銘は姿以上に見処あると思います
- 45の為次:やりたい放題やっている感じの刃文と姿が好みですね。今回のイチオシはこれ
- 50の神息:王道ですね。これはめちゃくちゃかっこいいです。
- ここまでが印象強くて、あとは
- 1の古大和。31,32の長光。34の長元。36の真長。40の雲生。あたりですかね。
審神者なら佐野美術館の前期で展示している火車切広光をなぜ見ない。大倶利伽羅と同じく広光だぞ。前期展示なのでスタンプラリー企画のときに是非に。
— ないな (@poponainai) 2016年11月13日
棟を見れば超合金かと思わせる鍛えで固そう。それでいて刃文が皆焼。あのへしきり長谷部とはりあうんじゃないかな皆焼。オススメです!!
あと、広光いるから見ましょうね。
ミュージアムショップでパネル展示をじっくり観賞
よいものですな。
<佐野美術館蔵品シリーズ4> 日本刀 鑑賞のしおりを買っておかえり
ミュージアムショップでポストカードとこの図録というかしおりを買っておしまいです。
なんと、閉館残り1時間前の16:00すぎまでいました。
一日中、刀剣を見ていたわけですが楽しかったです。
おわりに
今回も、フォロワーさんに声をかけていただき恐縮でございました。
いっしょに見る機会を得る人もいて、楽しい時間を過ごすことができました。
あと2回は行って、前期と後期をスタンプラリーをはさみつつ楽しみたいですね。