今回は岩手県。刀の展示で名高い一関市博物館へ。
ここで、ついに博多藤四郎が登場です。
また、平泉なので中尊寺や厳美渓に空飛ぶだんごと観光を楽しみました。
一言レポート
一関市博物館で博多藤四郎。10cmない距離で刀に目線を合わせることができる。一歩引いて沸映りと直刃を楽しめる。最高の距離感そしてライト。噂には聞いていたが設備が最高峰。「新たな国民のたから」は刀剣ばかり見ていたがどれも素晴らしかった。イチオシは正恒の肌が銀河。#とうらぶ男子 pic.twitter.com/9qHxJRx57R
— ないな (@poponainai) 2017年8月15日
まとめ
- 博多藤四郎は肌が鮮明で直刃調の美しい短刀だった。前田藤四郎に似ているなと感じた。
- 一関市博物館のうわさの刀専用ケースの展示は過去最高にライティングと配置がよかった
- 観光地としても楽しいところで、建築物の国宝第一号の中尊寺金色堂の姿は忘れられない
新たな国民のたから展とは
文化庁がその年購入した文化財の観賞機会を設ける展示会です。
平成29年度の今回は一関市博物館で展示されることになりました。
目録より刀が多かったからかもしれませんね。
一関市博物館とは
岩手県にある博物館で、刀剣の展示がすばらしいことに定評のある博物館です。
刀のルーツとも言われている舞草刀が常設展示されています。
今回の新たな国民のたから展示は一関市博物館20周年記念特別展でもあります。
会期は2017/7/15〜2017/8/20まででした。
開館時間も9:00からと早いです。
電車の最寄り駅は新幹線が停車する一関駅からバスで約30分の場所にありますね。
文化財と博多藤四郎
文化庁が文化財として購入したもの中に刀があり、その中に博多藤四郎も含まれていました。
所有者は文化庁ですが、保管場所が東京国立博物館。
今後、トーハクで博多藤四郎が展示される日を期待しちゃいますね。
当日
はじめての岩手県。東北新幹線で東京から一直線に向かう日帰り旅行です。
刀の展示のためだけに行きつつも、観光と美味しい食事はぬかりなく。
厳美渓に空飛ぶだんごを堪能してからの刀観賞。残り時間で中尊寺や平泉を散歩したあとに郷土料理です。
一ノ関駅へ
新幹線で到着後、駅に降りようと思ったら早速の刀のお出迎え。
日本刀の源流舞草刀と舞草鍛冶の歴史を語っているなと感じさせられたところで旅はスタートです。
バスで厳美渓へ移動
駅前のバス亭より、岩手交通で厳美渓・達谷・平泉線を使います。
30分に1本ほどのペースで来ることは知っていたので迷わず乗り込み終点の厳美渓前へ。
ここから徒歩5分ほどで一関市博物館に行けますが、まずは目の前の名勝天然紀念物の厳美渓へ。
空飛ぶだんごと厳美渓
雨上がりでしたが渓谷の迫力を間近で感じることができて感動以上にちょっと怖かったです。
一関市といえば、だんご。厳美渓といえば「空飛ぶだんご」です。
伊達政宗が植えたと言われる貞山桜を横目に目指すは団子屋さん。
郭公屋(かっこうや)の空飛ぶ団子
だんごを運ぶ側のお店に入ってカウンターで注文して好きな席に着きます。
きれいな景色と宙に舞うだんごを見届けながらおいしくいただきました。
このだんご、何よりやわらかい。できたてなのかな。ハマる味ですね。
今度はお金を入れてだんごを飛ばす側の渓谷に移動してみました。
人がわらわらと50人ほど集まっていてみんな楽しそう。
お金をおいて、引っ張ってもらって帰りは団子をのせて帰ってきます。
かごに入れただんごが運ばれてくる様子はおもしろかったですね。力技だ。
厳美渓を後にして北へ徒歩5分。
想像より大きな一関市博物館。
入館料は無料期間。早速、刀を見ましょう。
一関市博物館で刀を中心に見る
写真撮影とSNS許可を得て、いざ博多藤四郎。
もちろん、他の文化財のすばらしさに見入りつつもその足は第三展示室へ。
ライトめっちゃたくさんあたってる。すごい。
ここで感動のご対面です。
重文 短刀 銘 吉光 博多藤四郎
この輝き。
この厚みと広直刃調。
肌がくっきり見える先端部。
これらを全ての魅力が引き出されているのは、砥ぎと配置とライトの当て方の絶妙さ。
本当にここの博物館の刀剣展示は日本トップクラス。他の刀もすばらしいです。
国宝 太刀 銘 正恒
今回のイチオシ。喉の奥から鑑賞直後に感動でうーって声が漏れそうなのを必死に抑えました。
地黒が際立つ映りと刃文の小乱れのほつれの古刀さはかなく、姿見にも目がいきます。
その様に地沸がキラッと輝き夜空の星というより銀河系そのものです。
これなら古備前脳内バトルで厳島神社の友成と勝負できそう。
すばらしいものを拝見しました。
国宝 銘 久国
トーハクの久国ですね。肌がおかしい。つみすぎておかしい。
ずっと、おかしい、こんなにつんだ刀は見たことがないとそれしか感想が出てこないほどでした。
美しいとはこのことですね。
国宝 名物中務正宗
名物中務正宗は見たことがありましたが今回のライトがよく印象が変わりました。
置き方の工夫わかりますか?この角度からも見ることができるのです。
その他の刀たち
繁慶は肌ですね。ひじき肌。地景だらけで全部、棟までうねってます。
則重も肌。松川肌。繁慶が目指した肌でもあります。
安綱を例に出すとこんなボックス型の刀置きに置かれています。
このタイプの配置の刀はとても見やすかったですね。
はばき元の変化が最高にいい安綱でした。
肌を全面に見ると肌立ちがすごいですね。好きなタイプ。
帽子に綺麗な沸の線二重刃風。途中の食い違い刃と沸の妙味は雪山の富士山を思わせた包永も好みです。
こんなにもすばらしい展示は初めてです。全国まわりましたが、ここは別格。
本当によい体験をしました。
刀の魅力を存分に味わうことができました。また来たい。
あとは観光
刀をみたあとは一気に駆け足ですね。観光ルートを参考に移動します。
バスで平泉方面へ。電車ではお隣の駅ですが距離はあります。
毛越寺と中尊寺目当で移動しました。
毛越寺の浄土庭園
日本最古の浄土庭園復活の毛越寺。景色が手入れ行き届いていて最高。遣水も残っていたのを発見したんだってね。
— ないな (@poponainai) 2017年8月15日
宝物館に国宝の舞草鍛冶作と思われる鉄樹がおもしろびっくり。のんびり散歩コースですね。 pic.twitter.com/JeHtdxTPvK
中尊寺
平泉に到着後は中尊寺!とにかく広い。国宝建造物第一号の金色堂はちょっと金ピカどころじゃなかった。床まで金。螺鈿細工にミリレベルの毛彫。頭おかしい。しかも修復時に螺鈿剥がして付け直す作業してたらしい。その螺鈿の部品数が2万越えで金箔も6万越え。何が何やら。昨日は薪能だった能楽堂も。 pic.twitter.com/npMXoff40M
— ないな (@poponainai) 2017年8月15日
散歩しながら帰ります
中尊寺を下山して入り口のお土産屋を物色。17:00にもなれば開いてる店もなくなります。
バスも出ない時間帯なので、30分ほどより道しながら歩いて平泉駅へ。
スタート地点の一関市へ戻ります。電車は1時間に1本なのでご注意。
せきのいちで郷土料理
一ノ関の夜はせきのいちの郷土料理でしめ。もちばっかり食べていた。ずんだ餅って今がシーズンでお盆の日に食べるものなんだってさ。蔵元だけあってききビールを試したけどどれおいしかった。ここのペールエールは相当うまい。帰るぞー。https://t.co/a6vFD5O6uF pic.twitter.com/bYDf9fJf87
— ないな (@poponainai) 2017年8月15日
旅のしめは美味しい食事ですね。
ここで、ずんだ餅も食べて新幹線で東京へ戻って今回の旅は終了です。
おわりに
今回の刀の展示、行かなければ一生後悔するレベルの刀の展示を見ることができました。
刀剣展示で限界を常に問われる刀の魅力。それを最大限に引き出す見事な展示でした。
刀の新たな魅力に気づきつつ、刀剣展示のすばらしさを実感した刀剣遠征となりました。