福岡に続いて熊本です。
去年から狙っていた玉名市で行われる同田貫Ⅴ。
同田貫正国がずらっと並んだこだわりの展示を見に行きました。
一言レポート
玉名市立歴史博物館こころピアで同田貫Ⅴ。写真とSNSはOK。全国で今一番同田貫が集まっている時代の流れそのもの。照明よい。展示解説もよく同田貫村の話も聞けた。また、友の会の会長さんとの刀剣立ち話にも花を咲かせた楽しい時間だった。図録も充実。出張グッズ販売も。#とうらぶ男子 pic.twitter.com/WhgGl7YolL
— ないな (@poponainai) 2017年1月14日
まとめ
企画展「同田貫とその時代」
年間スケジュールでは同田貫Ⅴと予告。
合計18振の刀を見ることができる企画展です。
展示期間は、2017/1/14~2/19(日)
まで。
玉名市歴史博物館こころピア
熊本県玉名市にある歴史博物館です。
常設展示で同田貫正国が一振り展示。
開館時間は9:00~17:00です。
どうやって行くの?
熊本です。私は博多駅出発で電車とバスで玉名駅を目印に移動しました。
まず、大牟田
を目指し、鹿児島本線で玉名駅
へ。
本数は少ないですがそこからバスを使えば、玉名市民会館前
の最寄り駅に行けます。
なお、いつもお世話になっているこちらのブログでは様々なルートを紹介。
今回も参考にさせていただきました。
この場をかりて、いつもありがとうございます。
当日
柳川駅の温泉のお宿で一泊。
鹿児島本線で玉名駅に移動。こころピアで、午前中は刀剣観賞を楽しみました。
午後は、玉名ラーメンを食べて大宰府に移動し、キューハクと太宰府天満宮を満喫です。
西鉄柳川 -> 大牟田 -> 玉名駅
明け方の空を見上げながら、旅の始まりです。
単線の電車にワクワクしていたら、一箇所しかない乗り場のドアに慌てながらの乗車。
本数が少ないので時間のシビアさにドキドキしつつ大牟田で降りて、玉名駅へ。
ここで刀剣訪問ブログさんとお会いしました。
偶然というより、刀剣遠征の審神者の考えることはいっしょですね。
一度、来たことがあるとの心強い情報を元に、道を教えてもらいながら目的地を目指しました。
玉名駅 -> バス -> 玉名市立歴史博物館こころピア
玉名駅近くのバス停へ。周回バスの時間を見定めて乗り込みます。
最寄り駅のバス停を降りて少し歩くと立派な建物が。
これがこころピア。 想像以上に大きい博物館ですね。
図録を購入して同田貫たちとご対面
9:00開館にあわせて到着したので、早速、受付に行ってご挨拶。二番乗りですね。
そのまま、冒頭の写真のとおりで図録販売所で図録を購入して(販売中)、いざ同田貫!
テンションのあがる同田貫一派の楽しみなお刀空間がそこに。
圧巻です。
刀は写真撮影がOKとのご案内。うれしいですね。
同田貫の時代を魅せる展示
刀は全部で18振。
時代背景がわかるように、菊池から連なる延寿からの同田貫正国づくし。
時代の断絶を表す空間だけの展示を経て復活の九代目とつなげます。いい演出。
また、隣の部屋では背面以外すべて見えるガラスケースを使った九州の上質な関連刀も展示。
左の父親とも言われている実阿に首ったけ
その中でもこの一振ですよ。
たまらない肌立ち。九州ものって感じなんでしょうか。
目が話せなくてじーっといろんな角度から観賞を楽しみました。
火焔玉のような動きの見える帽子がそそります。
学芸員のかたとやっぱこれですよねーと同田貫の展示でしたが、盛り上がってしまいました。
その後、説明会を聞く機会に恵まれたので地元のかた(約20名)といっしょに解説を楽しみました。
※ 以下、番号は展示番号を参照
解説を聞きながら同田貫を楽しむ
まずは1.延寿国資(くにむら)の刀。
刀鍛冶がいなかったところから、この延寿で肥後の刀の歴史が始まります。
衰退後、いったん途切れるわけですがここで2.菊池冬国が出てきます。
ポイントは反りかたですね。
後の同田貫正国にはここまでの反りはありません。
そして、ここで、加藤清正によるお抱え鍛冶の流れが来ます。
3.同田貫藤原正国の登場です。
菊池から鍛冶場が玉名へうつり、ここで玉名の歴史がスタート。
同田貫は海を渡り海外輸出もされたとか。
この、5の同田貫が特にお気に入り。
No.3〜8が同田貫正国。この中の6〜8に同田貫上野介の銘が。
次の写真は、8の同田貫上野介です。
この二つは実は同じ刀工。ただ、銘の使い分けはわかっていないそうです。
時代は流れて、9の同田貫兵部と10の同田貫又八。
10は正国の息子の次男と伝わっており、兵部は世代が同じとのこと。
ここで、世代の断絶。
展示でも空間だけが広がります。
以前は、同田貫村で通じた村も名前を変え刀鍛冶のいない時代へ続きます。
そして、9代目の登場。11.同田貫正勝です。
正勝は薩摩の刀工に弟子入りしていたと思われる刀を残しているようです。
質実剛健なかつての姿はなく、華やかな丁子の刃文は時代を象徴する売れる造り。
このとき、銘は同田貫正国の名を表に刻んでいます。
12の宗廣(むねひろ)になると、水心子(すいしんし)のような古刀復古の形状へ。
展示最後の13の同田貫宗春になると短刀しか残っていないそうです。
この二人は兄妹で分業制をしていたのでは?と残刀より想像できるんだとか。
「折れず曲がらず同田貫」
同田貫は「折れず 曲がらず」。 一般的な「折れず 曲がらず よく切れる」じゃない。 なぜか。 現地解説で教えてもらったけど同田貫は切れて当たり前の品質だから。 よって、「折れず 曲がらず」。 よく切れるじゃなくて「折れず 曲がらず 同田貫」。
切れて当たり前。これが同田貫を表すステキなエピソードだと思います。
兜割りの話も家康の時代からあり、兜こと陣笠を切ったから鍋割正国なんて言われた逸話も。
兜割りも同田貫なにがしだったので、今回の陰と陽の世界より、どの同田貫だったのかとも。
地元の人らの質問や方言混じりに聞くお話は愛にあふれていて興味津々。
すべての刀の展示の意図も伝わり、楽しい時間でした。
友の会の会長さんとお刀エピソード
ここで友の会の会長さんとお話する機会を得て実阿の前で大盛り上がり。
小さい頃、おままごとで小刀(話し聞くと肥後象嵌つきのような…お茶目)を使っていたとか、
近年の刀剣ブームも快くうけいれているなど、話がはずみました。
刀を本当に心から好きで目がキラキラと輝いていたのが印象的でした。
そして、いい刀も悪い刀も見続けてくださいとエールをいただきました。
同田貫の地の玉名市でこんなステキな出会いに巡り会えたことがうれしかったです。
同田貫グッズの出張
帰りは、たまララ(玉名観光協会)の出張販売で、同田貫グッズを売っていたので購入。
お世話になったみなさんに挨拶をしてこころピアをあとにしました。
なお、後日講演会のある日は180人の大盛り上がりだったそうで友の会のレポートにまとまっています。
名物の玉名ラーメンを食す
今回は、千龍らーめん。行列でしたが列がはけるのが早かったです。
ニンニク(チップ)かけますか?で選べるスープは飲み干せるほど食べやすいお味。
口コミのとおりでチャーハンがなぜか3人前ほど出る事実も他の席で確認してびっくりです。
玉名駅からキューハクへ
そのまま歩いて玉名駅に戻り、電車でキューハクに近いルートを狙います。
途中、駅を降りてバスに乗り、大宰府の裏側からキューハクに行く珍しいルートを取りました。
特別展を含む広大なキューハクの展示を久々に楽しみました。
お刀は常設の伝光忠が一振。丁子は華やかでしたが、私の光忠センサーは反応しなかったですね。
太宰府天満宮で旅のフィナーレ
宝物館は閉まっている時間でしたが、御朱印はギリギリ間に合いありがたく頂戴しました。
太宰府は実は何度か過去に来ていて今回も定番さを満喫です。
熊本と博多間の移動と展示は、なんとかなるものですね。
おわりに
博多で美味しい魚の店にありつけて、この日の旅も終わりです。
また一泊して予定では、もう一度福岡をと思いましたが翌日は長崎へ。
龍馬展で陸奥守吉行ことむっちゃんの展示を京都に続いて見に行くことにしたのでした。