#とうらぶ男子

男が刀剣乱舞にはまった。ゲームをきっかけに博物館へ刀剣を見に行ったり、関連する土地に足を運んでみたり

東京富士美術館さんの展示『ザ★刀剣 ─ 千年の匠の技と美』を見に行った話

今回は東京富士美術館さん初の刀剣展に行ってきました!
前期の展示に加えてイベントの刀匠 月山貞利さんの講演もお聞きしました。
刀剣だらけの充実した時間を過ごすことができたのでそのまとめをご紹介したいと思います。

まとめ

  • 館内はとても広く、展示数が多くて1日で周るのも大変なくらい充実した内容
  • 展示している刀剣は照明の光を当てやすくて見やすいので後期も行きたい
  • 刀匠 月山貞利さんの講演では、質問者のレベルが高くて(審神者的に)聞きたいことが聞けた

東京富士美術館とは

東京の八王子にある大きな美術館です。
収蔵品ランキングを見るとその凄さは伝わるかと思います。

普段は西洋絵画の常設展示を行っているようですが、今回初の刀剣企画を実施したようです。
公式のtwitterを見ていると新しい試みもあり、力をいれていることが伝わりますね。

ザ★刀剣 ─ 千年の匠の技と美

出品リスト(PDF)に注目すると刀剣は古刀から現代刀まで幅広いラインナップ。
前後期あわせて約100の刀と武具。そのほとんどが東京富士美術館さん保有で初公開のものが多い様子。
800年続く月山(がっさん)派の展示も特別コーナーとして設けられており後期も楽しみな内容です。

youtu.be

いつまでやっているの?

公式より以下、引用します。

開催期間
2016年3月29日 (火) ~ 7月3日 (日)


休館日:月曜日(祝日の場合は開館。翌日火曜日が振替休館)
開館時間:10:00~17:00(16:30受付終了)
会場:東京富士美術館:本館・企画展示室1〜4

開館時間も上記のとおり10:00~17:00です。
また、前期と後期の内訳は以下になります。

※本展は前期・後期で展示替を行います。前期:3月29日(火)〜5月15日(日)/後期:5月18日(水)〜7月3日(日)
[5月16日(月)17日(火)に展示替を行います。(16日は休館、17日は新館常設展示室のみ開室)]

前期の展示を見たいかたは、 5/15(日)まで に行かれるとよいかと思います。
GWに行かれる予定のかたは、5/2(月)さえさければ大丈夫でしょう。
後期と展示物が少し違うのでお目当てのイベントがあるかたは日にちにご注意を。


準備編

さて、美術館にはどうやっていけばいいのでしょうか?

公式の案内動画を参考にしましょう

JR八王子駅を出発とする以下の映像を見れば、バスの使い方はばっちりですね。

youtu.be

朝の場合は、停車駅が少ないバスのため午後より少し早く着くかと思います。
詳細なアクセスマップはこちらです。バスの乗り場から降り場まで詳しく書いています。

休憩はどこでとればいいの?

注意したいのが、美術館周辺に食べ物やさんは特にありません。
ミュージアム内にレストランとカフェはありますが、混んでいる時間帯だと、待つことも多いので注意です。
座ってお茶を飲んで休憩するだけでしたら、ラウンジがありますのでそちらを利用するとよいでしょう。


当日

JR八王子に向けて出発です。
朝早く行動したために、バスは11,12,13のエリアではなく14番。
意外と場所がわからなかったので、バスの運転手さんに聞いてしまっての移動です。

JR八王子駅 -> バス -> 谷野町 -> 東京富士美術館

バスに乗ってしまえば、降り場の 谷野町 だけに注意すれば問題ありません。
降りてそのまま道なりに3分ほど上り坂を歩けば美術館に到着します。
ちなみに、帰りのバスも美術館正面すぐ側にバス停があるため特に迷わないでしょう。

入り口と展示場所

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フロアガイドのとおりですが、めちゃくちゃでかくて広い美術館です。
入り口の販売機で入場券を購入後、受付をすませてそのまま上のフロアに案内されるつくりです。
注意点はロッカーの場所。この1階のトイレ付近にしか荷物を預ける場所はありませんので注意しましょう。

刀剣の展示フロアは3F

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入り口の長いエスカレーターを登ると3階に到着します。常設展がちらほら。
主に絵画を展示している美術館ですので、刀剣以外にもたくさんの展示フロアがあります。
時間に余裕のあるかたや興味のあるかたは部屋をのぞいてみるとよいでしょう。

お目当ての刀剣の展示のその前に

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まずは、今回は月山貞利さんの講演を聞くことができる日。
3Fにも車用の出口があり、そちらの受付で整理券をゲットしました。

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そのまま同フロアのミュージアプショップによりまして、
うわさの500円なのにオールカラーの刀のパンフレットを先にゲット。
大変すばらしい代物でした。買って損なし!

刀剣の展示

さあ、いよいよです。館内は一部撮影禁止ですが、基本は撮影OKです。
あと、カジュアルに月山貞利さんが隣にいていっしょに展示物見ていた時はびっくりしました。
いや、本当にびっくりしたんだって。講演前の鑑賞だったんでしょうねー。

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今回は、中でもお気に入りの刀剣をご紹介したいと思います。 ※ 番号は出品No.です。

10. 刀 折返銘 正恒(古備前)

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備前で一番好きな正恒。前期展示ですね。

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折り返し銘という珍しさがおもしろみがあると思います。

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マルチモノキュラーでのぞいてみた雰囲気を味わってもらえればとレンズ越しの撮影。
展示の中でも、七色に光る鉄の輝きを一番かんじることができた刀だったと思います。
きめ細やかで美しいですね。そして、何より小鋒!めちゃくちゃ好きなんです。

26. 太刀 銘 有綱(古伯耆)

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今回一番好きな刀といっていい傑作でした。鍛えの鉄の色が美しいのです。
しゃがみ込む勢いでかがんで下から見上げて光をのせて見て欲しいです。
古刀らしく土地柄の砂鉄の特徴が出ているのかなーと思いをはせました。

27. 太刀 銘 一(福岡一文字)

定番の福岡一文字ですね。
背面に源平合戦図屏風が。刀剣にあわせた今回の展示の魅力のひとつですね。

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これと備前長船近景を含む三振は特別展示扱いです。
展示背面には原寸大のソードスキャナーと押形(表と裏を見ることができます)が。お見逃しなく。

月山派といえば綾杉肌

現代刀の月山派の刀が多く展示され、写真までとれるなんてと感激です。
綾杉肌。写真のとおりではっきりとよく見えますよねー。

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他の展示

入り口の出品リストに印をつけていたお気に入りを紹介します。

  • 1 刀 無銘 伝正宗(名物武蔵正宗)
    • 撮影禁止。前期のみ。近くのおじさんに話しかけられて談笑しながらまじまじと見ていました。
  • 4 刀 銘 村正(高松宮家旧蔵:有栖川宮熾仁親王指料)
    • 撮影禁止。村正の刀だ!と興奮しながらじっくりと見ました。薄いのかな?といろんな角度で凝視
  • 16 短刀 無銘 行光(作州津山松平家旧蔵)
    • 短刀の中でも一番のお気に入りです。行光!刃文が見事なんですよ。相州伝のコーナーにあります。
  • 44 脇差 銘 肥前国陸奥守忠吉
    • 前期のみ。脇差の中ではこれが一番好きでした。
  • 46 無銘 主水正正清
    • 見事な直刃!島津家のコーナー(No46,47,48)は魅力的ですね。写真を何枚かとってしまったぐらいにお気に入り。
  • 63 銘 長曽祢興里入道乕徹 寛文五年十二月十六日 (金象嵌) 山野加右衛門六十八歳永久(花押) 四ツ胴截断
    • 象嵌の乕徹が一番お気に入りです。鏡を使って銘を見せてくれています。

紹介した刀剣はたくさん写真をとっていますが、あとは実際の展示のお楽しみということで。

おまけ

  • 猛虎之図 No.108 岸駒 宝暦6/寛延2?(1756/49?)-天保10(1839)
  • 虎がかっこよくてですな。村正の横に展示。 前期のみ です。

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休憩の取り方

観覧後は、満足した内容のアンケートを書いて近くのガチャガチャをまわしていました(あ、獅子王ゲット)。

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そのまま、たぶん無理だろーなーと思いつつも1Fのカフェによると30~60分の待ち時間。
それも、つくるのに、という但し書きにですよねーとラウンジで休憩はとりました。
おなかすいちゃった。


記念講演会「800年の伝統に生きる刀匠 月山貞利」

今回のお目当ての一つ講演もありました。
そのときの私のメモをまとめておきますね。

まとめ

  • 月山貞利さんは温和でユニークなかたで会場も笑いにつつまれた講演でした
  • 刀の魂にかける伝統と挑戦の思いを現代の刀匠から聞けて感無量
  • 審神者の質問1:児手柏の刃文が裏表違うが?にむずかしいけど挑戦します!の答え。心強いなー。

高度な質問者が続き、私の席周辺でざわつき。
審神者です。あ、はい。ご存知このお話ですね。
だれも聞かなければ私、聞いてましたね。

ameblo.jp

詳細

  • 2016年4月10日(日)午後2時〜
  • はじめは月山貞利さんの紹介映像(ちょっと昔。約10分。)
  • 講演開始

自己紹介と刀剣とは

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  • 弟子は3人。20代もいる。
  • 今回の展示にけっこう関わっているそう
  • 刀も人間も鍛錬
    • 親父さんは温厚かつ口数少ない人だった
    • もっと厳しく鍛錬してもらったらなーとも
    • 若い時にしっかりと鍛錬して、名刀のように光輝かないと
    • くろがねは鍛えれば名刀になる
  • 真剣。これも刀の言葉。
    • 一刀両断、もろは。太刀打ちできない。そりが合わない。元の鞘におさまる。。助太刀、懐刀。
  • 刀の展覧会少ない

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  • 今日は刀をもってきたよ
    • 刀は自分を高める精神性の高いもの
    • 30分~1時間も見てられる
  • 夏は別のことしてる。ヤスリがけとか
  • 冬に鍛錬してる -刀のみどころ
    • 焼き入れ次第
    • 人を殺めるもの以上に守り刀。刀という願い。

月山派の昔話

  • 奥州月山の月山伝
    • 綾杉肌。めずらしい。
    • ほかもそうだよね
    • 月山だけは続いている
  • 奈良へ
    • いろいろあった
    • 最上義光にやられたときもありますし
  • 江戸時代
  • 万葉ただよう奈良へ。
  • 曽祖父
    • 明治の刀の廃刀令に苦しむ
    • 神戸の貿易商が間をとりもち、外国人のおみやげ用にで生き延びた
    • 苦難の時代。ボストン美術館 メトロポリタンとかに月山派の刀剣があるのはそういうこと
  • お祖父さんのとき
    • 武器製造禁止令
    • 明治よりさらに厳しい時代へ。つくることすらできない時代に。
    • 堺の包丁にいわれ作ってもみた
    • 包丁の龍の彫り物が残っている
  • 息子さんも自然と継いだ
    • 刀つくるの楽しいなって。喜ばしい。
    • でも、最近では息子さんが人気ある

横綱白鵬関の刀剣依頼

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  • 刀を選びに奈良へ訪れるかたも
  • あの白鵬さん
    • 徳島県のえらい人が月山へ依頼
    • 武士の魂、ほしいとのこと。
    • 3年前。最初の鋼をうった。
  • 雨が降ったがモンゴルでは幸運の雨とお披露目の土俵で太刀持ち

さいごのお話

ザ★刀剣 刀剣2回目やりましょう!海外も求めてますよね!

質問コーナー

  • 機械を使いますか?
    • ※ パワーハンマーのこと
    • 若い子には一応教える。独り立ちするときには一人なので機械の力もときには必要
  • 児手柏(このてがしわ)の作刀について
    • 名刀。むずかしい。でも、やってみる挑戦する。との意気込み。
  • 日本号などのうつしの経験より、写しについて
    • 現代の作家としてのこしておきたい
    • 挑戦の意味も込めている
    • 自分の名刀をつくることも大事
  • 刀にこめる魂について
    • 魂を込める作業といえば焼き入れ
    • 鉄と火と水。祈る気持ちで焼入れをする
    • 自然の力というか不思議な作用がある
    • その日の精神状態に左右される。緊張する瞬間。

公演終了。

最後に展示をぐるっと回って帰路

お昼ごはんを食べる時間がうまくとれなくて講演を聞いたあとはへとへと。
もう一度だけお目当ての刀剣を見たあとに当館をあとにしました。
今回は圧倒的に伯耆有綱だったなー。


おわりに

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大変充実した内容でこれは後期もいきたいなーと思ったぐらいです。
お昼を取り逃がしたので、次は午後にカフェも利用する目的で訪れたいなと思います。
それでは、この情報が今度行かれるかたの参考になれば何よりです。

後期も行くぞ!