私の初期刀は山姥切国広。つまり、写し作刀者の堀川國廣の歴史が大変気になるわけです。
それなのに、調べてもイマイチこの人のことがわからない。
そこで、今回栃木県足利市で、その謎に少しだけふれてみることにしました。
まとめ
- 短刀 銘 日州住信濃守國廣作は彫物もさることながら刃文の互の目乱れがステキ
- 日本最古の学校である史跡足利学校の図書館で堀川国広特集をしてくれていた
- 足利市は観光地としていいところだったのでまたいきたいし、そば食べたい
とうらぶ人気を受け入れた足利市
「刀女子」女性たちから足利学校が脚光を浴びているってお話。足利学校で鍛えたとされる刀匠・堀川国広の名刀がそれ。
— 足利市観光協会 (@ashikaga_kankou) May 31, 2015
足利学校では、6月1日から図書館内にレプリカを展示して若い世代に足利学校の歴史文化を知ってもらう機会にしたいと急遽開催。
脇差のレプリカ、是非見に来て下さいね♪
2015年6月に反響が大きくて日州住信濃守國廣作のレプリカを展示したとあります。
このときの場所は史跡足利学校。
そして、今回、足利市立美術館で満を喫してその実物が展示されたというわけです。
普段は、地元の文化や美術の世界を伝える施設です。
ところが、反響が大きかったのかこの土地に関わりのある国広作刀の刀が展示されることとなりました。
今回はその刀目当てに観光してきた話になります。
展示期間
2016年1月30日 ~ 2月14日まで
残念ながら現在展示は終わっています。
レプリカであれば足利学校で同2月末までの展示のようですね。
あとで、説明しますが、むしろこの足利学校がメインなのでいける人はぜひ。
史跡足利学校では「堀川国広脇指(布袋国広)」レプリカを2月末まで展示いたします。関連資料も閲覧できますのでぜひお越しください。なお、2月15日は休館日となりますのでご注意ください。#足利学校 #足利市立美術館 pic.twitter.com/2xZlGFZD9S
— 史跡足利学校 (@Ashikaga_Gakko) February 14, 2016
準備
今回は足利市を観光するつもりで簡単に行く場所を決めました。
目的地は足利美術館に加えて、寺と神社とおいしいそうなおそばです。
情報を知って気にはなっていた
@poponainai 写真の表(右)が、杖の彫、裏が、唾布袋。これが布袋国広か。足利市民文化財団所 所蔵 https://t.co/CXaKmp2db6
— ないな (@poponainai) January 16, 2016
当日
今回は、電車移動です。
最寄り駅は二つ
足利市立美術館を目指すわけですが、以下の地図からわかるように最寄り駅が二つあります。
私は、東京圏内からの出発でしたので行きやすい 足利市
駅を選びました。
ルートによっては新幹線でお高くなります。
特急を使いたいために北千住を目指します。
北千住駅 ->「りょうもう」-> 足利市駅
東部特急「りょうもう」に乗って、足利市へ。
合計片道2時間かかったので、東京からでも栃木県はなかなか遠いなと感じました。
足利市駅 -> 渡良瀬川 ->足利市立美術館
最寄り駅で観光地マップを確認。この辺りを中心に観光します。
足利市立美術館
今回の目的地ですね。
早速展示会場へ。写真撮影は禁止です。
入ってすぐに短刀 銘 日州住信濃守國廣作 とご対面です。
短刀 銘 日州住信濃守國廣作
360度どの角度からでも見れる展示方式でありがたかったです。
彫り物は見事。それ以上に個人的に目を引いたのが刃文。けっこう見応えがありました。
今回の目的はこの刀一本だったので、他の刀や展示物はあわせて見て終了です。
アンケートに答えるとポストカードをもらえる
審神者がちらほらといった感じでした。
親切にも係のかたが、女性陣を呼び止めてはアンケートを促していました。
下調べが足りず、現地で知ったのですが答えるとポストカードを配布してくれるそうです。
「足利市民文化財団所蔵品展」で、アンケート回答者先着900名様に「国広作脇指」の写真プレゼントがあるそうです。しかも2月11日(木祝)13日(土)14日(日)の3日間限定!なくなり次第終了。お早めに。 #足利市立美術館 #足利学校 pic.twitter.com/3MFP99Usnt
— 史跡足利学校 (@Ashikaga_Gakko) February 9, 2016
私もアンケートを記載して提出。無事にゲットです。
アンケートの内容を読むと、また開催する予定があるのかな。
あとは、少し受付のかたとお話をして美術館をあとにしました。
足利市立美術館受付のかたにSNS許可もらったので共有。
— ないな (@poponainai) February 14, 2016
『堀川國廣と足利学校との関わりについて(Q&A)』 pic.twitter.com/T0tsToCnXU
足利市立美術館 -> 織姫神社(ルート注意)
プラザハマダさんのコラボメニューも気になったのですが、お昼はおそばを求めて織姫神社へ。
ところが、GoogleMapで検索すると不穏な道のり。
一応、信じて歩いた結果、とんでもないルートで歩くこととなりました。
車がとおる道と同じ道を教えてくれたので山側から入ることになったのです。
おかしいとおもったんですよねー。
正解は北側ではなく、南側からすなおに行けます。ご注意。
山側から見た織姫神社
階段を一歩一歩上って到着するはずが山側からご対面。
ただ、車でくる人のルートと一緒なのでセーフ?ですかね。
山の中にあるきれいな神社でした。これは縁結びそうです。
とうらぶとのご縁にありがとうと、お参りしました。
このゲームやってなかったらこの土地きてないですよ、ほんとに。
お昼は狙っていたおそば屋さん 蕎遊庵 へ
どうやら、足利はおそばが有名みたいなんです。
水がおいしい土地柄の様子。これは、期待が持てます。
参考情報:栃木県湧水
※ 足利学校近くの1箇所はおとずれたのですが姫川神社前は見落としました。
神社のふもとにお店はあります。
このそばのために、足利を訪れてもいいといううまさ
めちゃくちゃおいしかったです。
蕎遊庵さんのおそば。
あまりのうまさに食べたあと、またそばを注文したぐらいですから。びっくりしました。
織姫神社近くの蕎遊庵さんでおそばを堪能。あまりのうまさに二種類食べてしまった。水がうまい。あと、ソーメン並みの細さ手打ちらしい。このそばのために足利きてもいいね。ってぐらいうまかった。 https://t.co/C3VkByd2at pic.twitter.com/NOcFDbgvch
— ないな (@poponainai) February 14, 2016
織姫神社 -> 鑁阿寺(ばんなじ)
さて、おなかもふくれたところで次の目的地、国宝 鑁阿寺です。
本堂が国宝なんです。これは観に行かねばという思いで向かいました。
さっきまで登場した地図にも載っているエリア内なので、15分ほど歩けばたどり着きます。
境内をぶらりと散歩
本堂は大変すばらしく、写真を撮ることをはばかれるぐらいでした。
是非、実物を見て欲しいですね。
個人的には天然記念物となっている大銀杏が立派で感動。じーっと眺めてしまいました。
あとは、食べたばかりだったんですけど、ご当地シュウマイが名物らしく揚げシュウマイを食べました。
中濃ソースで食べるたまねぎたっぷり肉なし?の不思議なシュウマイでした。おいしかった。
カルガモ注意の看板とカルガモをぼーっとみつつ時を過ごしていました。いいところだなー。
鑁阿寺(ばんなじ) -> 史跡足利学校
さて、本日の本当のメインです。ここです。足利学校ですよ。
足利市立美術館に行ってきましたというと、420円->340円の80円割引してくれます。お得。
あと、16:00ごろには閉館なのでご注意です。
日本最古の学校
足利学校を知ったのは、水戸へ弘道館に行ったとき。
そうです、同じく最近、日本遺産に認定された施設ですね。
その歴史もおもしろく、ビデオ上映の説明を聞いてワクワクしながら学校内を歩きました。
足利学校遺蹟図書館
Twitterのタイムラインで知ったのですが、職員さんに審神者がいるとのこと。
入り口で初期刀は清光! という話で早速、審神者らと盛り上がっていてすぐわかりました。
話し込んでいたので、遠慮して図書館内に。するとお宝コーナーがそこにあったのです。
堀川国広特集という贅沢
なんと、今回のとうらぶ反響を受けてか、レプリカの展示だけではなく、関連する書籍の実物も展示。
資料として堀川国広を知る機会を思いがけず得たのです。
付箋がはってあり、該当ページにもたどり着きやすい親切さ。しかも、どれも古書。すごいこれはすごい。
個人で楽しむなら一部コピー可能!1ページ10円!
その場で30分ほどメモをとり、ページを記録しいくつかコピーもお願いしました。
写真撮影禁止でしたのでとにかく手を動かす、です。
堀川国広にまつわる書籍 by 足利学校遺蹟図書館
- 慊堂日暦 5 - 平凡社
- 一部できごとを(読めない!)。1ページに付箋。
- Amazon CAPTCHA
- 一部できごとを(読めない!)。1ページに付箋。
- Amazon CAPTCHA
- 天正十八年 長尾顕長(ながお あきなが) の鍛冶指示とか
- Amazon CAPTCHA
- これも詳しく堀川国広について説明している。といっても3ページほどだけど。
- 増補新訂 足利学校の研究〈新装版〉 - 株式会社 吉川弘文館 安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社
- 読み物としてはこれが一番興味深い。擦り上げをして、写しを作った?
- 堀川国広考 (中央刀剣会): 1927|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
- 鍛冶の話が天正ごとに細かい
30~40年前の古書も多くどれも、ふつうに売ってないですねー。でも、集めそう。
あとは、雑誌の記事も一部まとめて掲載。これもうれしい。
個人的には、トーハクの刀剣担当(小笠原さん)が書いた考察が興味深かったので、賛助会で聞きたいです。
三日月宗近が好きな職員さん
コピー待ちのとき。声をかけられたのでふりむくと、さきほどの職員さん。
気さくなかたで、とうらぶ話で盛り上がることができました。
「男の人は、お兄さんが初めてです!」と言っていたので、やっぱ珍しいのかーそうかー。
論語の本を買って帰路
最後もお別れのときも、職員さんとお会いしてにこやかに足利市をあとにしました。
史跡足利学校はいいところだった。論語の学校専用の本買った。図書館は堀川國廣特集をしてくれていて、一枚10円で印刷可能(もちろん、著作物より個人用)。まんばにもつながる文献をゲットすることができて満足だ。足利ありがとー。帰ろうっと。 pic.twitter.com/oQcLsn4z4q
— ないな (@poponainai) 2016年2月14日
おわりに
思いがけず、堀川国広のまんばの謎にせまることができた旅となりました。
印刷して持ち帰った情報は自分用にまとめたいと思います。
あと、図書館でもこの図録はありました。昔、買っていたのであわせて読んで理解を深めたいです。
山姥切国広と山姥切長義。おもしろい存在です。
足利市、また行きたくなるステキなところでした。