#とうらぶ男子

男が刀剣乱舞にはまった。ゲームをきっかけに博物館へ刀剣を見に行ったり、関連する土地に足を運んでみたり

林原美術館で映りが魅力の備前刀をたっぷり観賞してきた話~岡山編~

青春18切符で刀剣遠征の旅も第5弾で岡山です。
映りが魅力の備前刀。それを全部見せますの勢いの林原美術館さん。
また、岡山県立美術館仙台藩の伊達家特集展示も見てきましたのでそのレポートになります。

一言レポート


まとめ


林原美術館とは

岡山の実業家の方が募集したコレクションを展示している美術館です。
中でも私にとって魅力的なのは備前刀のコレクション。
そのコレクションを今回大々的に展示するということで注目しました。

「すべて魅せます 備前刀 古備前派・一文字派・長船派、そして末備前」

目録はなく、チラシはこちら(※ PDF)。期間は、平成28年7/16 ~ 9/11 まで。
なんと、写真撮影が可能なのです。これはすごい。
特別連携展示として次に紹介する岡山県立美術館とのコラボ割引があります。

開館時間は10:00 ~ 17:00です

岡山県立美術館とは

ふだんは、郷土ゆかりの展示をしておりますが、今回は伊達家。
実は縁も所縁もある関係のようです。

特別展 伊達政宗と仙台藩

目録はこちら(※ PDF)
前期・後期の中で歴史的な資料を数多く展示されております。
期間は終わってしまいましたが、平成28年7/15 ~ 8/28 までですね。

開館時間は9:00 ~ 17:00です

どこにいけばいいの?

今回は岡山ですね。それも岡山駅周辺。
この辺りは観光地となっているので、他にも見どころは満載です。
手前みそですが、過去の旅先の情報を参考にしていただければと思います。

コラボ展示とは?

関連施設である、林原美術館岡山県立美術館
この両者の展示期間までに両方を利用して展覧会チケットを提示すると拝観料が2割引になります。
お得ですね。


当日

今回は大阪スタートで青春18切符で岡山へ。
岡山で桃が食べたくてJAによってから林原美術館へ。
再入場前提で岡山県立美術館に行き、林原美術館へ戻って鑑賞して岡山の料理でシメです。

岡山到着


ひさしぶりの岡山ですね。
早速、自転車を確保します。

ももちゃりでまわる岡山の旅

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観光地でのレンタサイクルは今や定番ですね。
天気がいいのと回れる距離との判断で選択。
クレジット登録かつSUICAなどの電子カードで登録すれば1時間200円が目安。お安い。

岡山駅 -> JA岡山はなやか中央店

ももちゃりは駐輪所がポイントで、今回は手前の商工会議所で止めて徒歩5分ほど。
JA岡山に到着ですが広い。
桃を求めたのですが、すでに売り切れと旬の終わりで残り少なく朝から行列だったそうです。


それでも皮ごと食べることができるマスカットに桃を購入。
その場でおもむろにむしゃぶり尽くしましたが美味でした。
ただ、食べられるスペースは想定されていないので、基本は保冷剤を持ってきてお持ち帰りですね。

JA岡山はなやか中央店 -> 林原美術館

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自転車からだと少し遠いですがそのまま今回の目的地である林原美術館へ。
さあ、見せてもらおうか備前刀。

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持ってるよというか持ってきてしまったよな図録の再販を確認。

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写真撮影OKなのがありがたい広々とした室内。お昼ごろでしたが貸切状態でした。

展示品がすごすぎて見るので精一杯の前半


すごすぎませんか?今回。
好みの刀を探すのに精一杯で写真を撮る暇もありません。ものすごい数です。
こんなにも映りをはっきりと確認できる備前刀の展示は今までなかったですね。楽しすぎる。

お昼ご飯後、岡山県立美術館

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そこで、戻ること前提に近くで軽くご飯を食べて休憩。
次は、岡山県立美術館に移動しました。

音声ガイドつきで展示を堪能


写真撮影は禁止ですが、時間少ない中で周るには最適な36分間の充実した音声ガイド。
展示品の有名武将の手紙のやりとりはほんとおもしろいです。
400円で購入できたガイド本がそのまま展示の思い出になりますね。

ちょっぴり感想

  • 信長の花押それも双龍型の天下布武は珍しくておもしろかったです
  • 約束したのにはたされなかった手紙とか。政宗の手紙って書き癖含めておもしろいですよね。
    • 尚々書に花押がなんか小さくなってごめんね、そんな深い意味無いよ的なニュアンスとか微笑ましい
  • 展示品はついつい手紙に目がいきましたねー
  • 水玉模様の陣羽織が新しめなのはびっくりしました!それでもポストカードは買いますよね仙台の象徴。

岡山県立美術館 -> 林原美術館

鑑賞後、また林原美術館へ戻って閉館までねばって観賞です。
前半とあわせて合計3時間見てきましたが、倍の時間欲しかったので1日いるべきでしたね。
感想はめちゃくちゃ長いので後述します。


林原美術館 -> 竹浜


しめは、フォロワーさんに教えてもらっていた駅前の竹浜さんへ。
大将から料理のプライドを女将さんからやさしさを感じながら、お話とお料理を楽しみました。
おいしかったなー、ままかり。そして、岡山のお酒が本当に美味しい!流通しない理由も納得でした。


刀剣感想まとめ


さて、ここからはまとめです。約40振の備前刀!
イチオシはうつりをはっきりと見せてくれた正恒かなー。どれもよかったんですよねー。
手元のメモで気になった刀剣(古刀中心)を、林原美術館名刀図鑑を片手にまとめてみます。

01 太刀 銘 吉包

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図録でも1番の吉包(よしかね)です。
肌目立ちました。写真より腰の焼刃が魅力的。
長いと目測で図りましたが78cmあったのでやっぱりな小鋒が魅力的な古備前

02 太刀 銘 近包

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図録の2番。銘入が珍しいちかかね。 ピン!とした匂口な直刃が古備前の中だけあって目立ちます。
付属の拵も鐔付近が魅力的でしたね。

03 太刀 銘 正恒

浅くのたれた刃文にふしごころの鋒と雉子股形(きじももがた)の茎が魅力的。
拵もありますが、鋒ばっかり写真におさめましたね。
地景が大変目立つふんばりのある太刀でした。
これも図録の3番。あれ?展示と図録の番号が同じですね。たまたま。
展示のキャプションの解説と図録の解説は同じなのでオススメ。

04 太刀 銘 正恒

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こちらは、さきほどのイチオシの正恒。
とろーりとよだれもののこの映りを見て、刀の映りを見えたと思えるほどうれしいくっきり感してます。 写真でもわかりますかね?真ん中の刃文がまたあるかのような白い部分になります。図録の4番。

05 太刀 銘 吉房

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さすが国宝。見どころが非常に多く、今回の展示側のイチオシですね。
地景が見える見えるぞ!と。葉が目立ち、根本に杢目と思われる肌も発見できます。
鎬に迫る深い刃文も魅力的ですね。銘もころっとしています。鋒の丁子乱もたまりません。図録の12番。
会場の大型ディスプレイと連携して細微まで細かく見ることもできます

06 太刀 銘 一

  • 刃文の激しさがはっきりしていますね
  • 水面から浮かび上がる泡のように丁子が浮かび上がって焼きも高いです。典型的!
  • 図録の7番

07 太刀 銘 信房

  • 在銘作は珍しいそうな。図録の8番。
  • 金で埋め込まれた目釘穴がおもしろくオシャレ
  • 鋒に砂流がかくれていますが、写真じゃ全然うまくとれませんね

08 太刀 銘 延房

  • 御番鍛冶の一人。なんと在銘作。図録の9番。
  • 拵に目がいく本作。拵は図録の95番。
  • わかりやすい、乱れ映り立つ、でした。沸の強い刃文に目がいっちゃいましたけどね。

14 太刀 銘 宗吉/藤原□□

  • 地景探しが楽しい太刀でした。根本かなー。写真でも根本ばっかりとってる。
    • 地景は、鍛え肌に沿って黒く線状にうつるもので、刃中でいう金筋ですね。
  • 図録は10番。この人も御番鍛冶。

15 刀 無銘 伝一文字

  • 大磨上なのに腰反りが高い
  • 図録の11番
  • 帽子がおもしろいと記録しています

16 刀 無名 一文字(伝吉房)

  • 重花丁子の根本が魅力的
  • 図録は13番。刃文が変化に富みます。

17 太刀 銘 助真

  • 物打付近の小沸つくが、見所と感じました
  • 映りは根本かな
  • 図録は18番。

18 太刀 太刀 銘 助吉

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  • これ、おもしろいです。ざっぱーんな海の大波のような逆足がかった刃文。
  • 吉岡一文字派の祖です
  • 図録は14番。ですが、表を見せてー。

19 刀 無名 伝吉岡一文字

  • 刀おきなおのに乱れ映りが非常にわかりやすいです
  • 刃文は尖り刃の箇所が魅力的。非常にギザギザ。
  • 図録の15番

20 太刀 (菊文)菊御作

  • かすかに見えますね菊文は。図録は81番。
  • きくぎょさく とキャプチャでは読みがなが。普段は、きくごさくって読んじゃいますね。どっちでも。
  • キャプションにもあるように一文字派との合作であれば、菊一文字、ですね。

21 太刀 銘 光忠

おまたせ光忠。正直、光忠好きで前半はこればっかり見てました。
身幅尋常の一言。か、かっこいい。拵までかっこいい。図録は21番。
ここまで、前半は写真をとらずに見ていたのですが、光忠に来た時だけ思わず写真をとるぐらい魅力的。

22 太刀 銘 備前国長船住左近将監長光造

  • 国宝。おとなしく見えます。
  • これは、地斑がわかりやすい。物打から上が小出来の
  • 図録は22番。

このあたりで前半になるのですが、もうここでいっぱいいっぱいでしたね。

23 太刀 銘 備前国長船住左近将監長光造 / 正応二年十月日

  • 1289年とはっきり
  • 根本の刃文に金筋らしきものが見えました
  • 雉子股形の茎は魅力的に見えますよね。健全さもあいまって。

25 太刀 銘 備前国長船住左近将監長光造 / 延慶二年三月日

  • これがよかった。光忠の子とも。図録の24番。1309年。
  • 棒樋丸留がびしっと決まった刀を久々に見ました。魅力的。
  • 長光帽子と言われるのたれ小丸も地景の入りもわかりやすいですね

27の近影も棒樋の止めかたはおもしろかったですね。
このあたりからはメモがおいついてないですね。

29 短刀 銘 備州長船長義 / 応安元年十二月日

好きな長義です。非常によかった。そして、薄い。図録の38番。

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林原美術館の図録を買って、ずっとあこがれていたこの長義。
今回展示してくれると聞いた時は喜びましたが、実際に目にすることができてよかったです。
写真でも角度を変えるとで見えてくる刃文がたまらないですよね。図録は38番。

37 太刀 銘 備州長船住元重 助延藤原□□ / 文和三年二月□

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今回のダークホースはこれでした。元重。
刃中の働きも多く、肌が魅力的なものにどうも惹かれてしまいます。
さすがの伊達家伝来。春三十三。


さいごに

充実した備前刀な1日でした。それでも全然時間が足りない!また、刀剣展示があれば行きたいです。
この日は流星刀のある明石にもよりたかったのですが、このプランでよかったですね。
最後は、青春18切符らしく姫路城を見てお帰りです。

ここで、青春18切符を使いきりましたが、また買うことになる夏の刀剣展示は続くのでした。