#とうらぶ男子

男が刀剣乱舞にはまった。ゲームをきっかけに博物館へ刀剣を見に行ったり、関連する土地に足を運んでみたり

歌仙兼定登場で永青文庫の本気を見た話

満を持して、永青文庫歌仙兼定の登場です。
そして、大好きな生駒光忠に加えて古今伝授の太刀の名を持つ豊後国行平の国宝が2口。
これをうけて、早速初日に行ってきたレポートになります。

一言レポート


※ 誤字訂正:証明は照明ですね

まとめ

  • 歌仙兼定は白さを感じさせる特徴が随所に出ていて刃区から鋒まで見どころがあった
  • 生駒光忠は自身の刀剣感性の原点なのでまた見れただけでもうれしかった。天才。
  • 肥後拵と肥後金工について勉強した上で、林又七の作や歌仙拵を感じとることができてよかった

生駒光忠が大好きなのでこれだけは言わせてください!



「歌仙兼定登場」

永青文庫さんが大胆な歌仙兼定推しの告知
また、文京区が刀剣乱舞とのコラボ企画の第一弾として、歌仙兼定の等身大パネルの展示が決定です。
しかも、初日のレポートはすでに公開し、第二弾のスタンプラリー企画も準備中。気合が入っています。

展示はいつまでやっているの?

公式情報より、以下引用です。

会期:7/9(土)~10/2(日)
開館時間    10:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日   毎週月曜日(但し7月18日、9月19日は開館し、翌日休館)

意外と展示期間が長く、見に行くチャンスは多いと思われます。
また、前期・後期といった展示交換はとくにお知らせしておりません。
目録もそのうち、PDFでアップロードされるものと思われます。

どうやっていけばいいの?

永青文庫に向かいます。
東京にしては珍しく施設に近い最寄り駅がありません。
公式情報を参考にバスで『目白台三丁目』で北側におりるか、南側から徒歩で15分は歩くことになります。

簡単な付近案内

twitterを中心にみなさんたくさん情報を提供しているのでそちらを参考にするとよいでしょう。
私は、早稲田駅の南から徒歩15分ほどかけて歩いて辿りつきましたが、北からバスで来る人が多そうでした。
南からだと胸突坂の傾斜がきつい点が難点なのです。


歌仙さんの等身大パネルはどこにあるの?

会場は、新江戸川公園になります。
永青文庫ではありませんが、庭を経由してつながっています。
初日、二日目は庭で展示されていましたが、基本は、松聲閣内になります。

いつまで設置されているの?

公式情報より、以下引用です。

会場:新江戸川公園「松聲閣」2階展望所 山茶花 (文京区目白台1-1-22) 
期間:7月9日(土曜日)~9月19日(月曜日・祝) 
休園日:期間中無休 
時間:午前9時~午後5時
料金:無料 

ポイントは9:00開場永青文庫さんは10:00開場です。この時間の違いに注意ですね。
また、9/19までという点も注意です。永青文庫さんの夏期展示は、10/2までです。
スタンプラリー企画は、8月20日(土曜日)~9月19日(月曜日・祝)予定です。


当日

初日です。
あいにくの雨です。雨男...いや、歌仙さんの人見知りの為せる技ですね!

いきなりの行列情報

まずは、等身大パネルの歌仙さんを見て、10:00の開館前に並ぶルートを検討しました。
南ルートを選択。9:00に最寄り駅にはついたのですが、Twitterで行列情報の兆し。
少し悩みましたが、予定どおり等身大パネルのある新江戸川公園を目指します。

新江戸川公園のお庭でパネル展示を楽しんだ

10:00前なので永青文庫さんのお庭ルートが使えない時間です。
そこで、胸突坂を起点に入り口を探すように川沿いに左に歩くと南口。
地図上では不安でしたが、すぐに見つけることができました。

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南口の庭をとって道なりに松聲閣を目指すと、でじたろうさんが準備中でした。

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雅ですねー。

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あまり、人はいなかったですので、混むほどまではいかなかったですね。 f:id:poponainai:20160714220754j:plain:w600

新江戸川公園 -> 永青文庫の行列へ

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永青文庫へ抜ける場所がないかと庭経由で登りましたが、10:00前はフェンスで通行止めでした。
また、雨天時はこの経路だと石段が多いので足元がすべるので注意ですね。
場所を確認して南口にもどり永青文庫へ。

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傘が並ぶ行列ができており、50人目ぐらいで到着。
10:00開場までに丁寧な案内に安心。雨の中、係の方のがんばりがうれしかったです。
今回は、2回目いくこと前提にメモをとらずに目に焼き付ける作戦で行動です。

受付まで

行列対策ができており、はじめは30人。その後、白いテントで傘をおさめつつ少しずつ進みます。
受付は予想通り物販もかねていたので、入り口に人が多く見えました。
館内撮影禁止なので、受付で写真とSNS許可をいただきながら、受付をすませました。


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なお、No.88はこの翌週から売り切れ。
刀剣春秋も無料であるぶんだけ頂けたそうですがもうないとのこと。
みなさん、すばやいです。

受付の内訳

  • 1.図録の販売 ... 1,500円
    • 図録といっしょに季刊誌を販売。最新号はNo.95 ... 300円
  • 2.入館料の支払い ... 一般1,000円
  • 3.受付の反対側に募金活動 ... 1口500から
    • 記念に歌仙兼定らの刀剣のシールを記念品としてもらうことができます。

混んでいた今回は、3回に分けて受付してました。初日ならではかもしれないです。

いきなりの桜九曜紋透鐔と生駒光忠

下見に来ていたので、中の想像がつきます。ロッカーに荷物を預けて階段を登ります。
2Fでいきなり桜九曜紋透鐔が正面で構えています。チラ見しつつドキドキしながら4Fへ。
歌仙兼定のある刀剣コーナーは行列ができ、上った階段下まで伸びてました。

生駒光忠登場

はい。この日のために来ましたが一番はじめ。生駒光忠です。
たまらなかったです。
あの、研ぎのすばらしさに騙されますが、潜む刃文がうつす壮大さをですよ。三次元展開。

好きすぎるので、周囲の人目を気にせず上下運動しながら単眼鏡です。
目に焼き付けにいったので、メモとかではなく印象を脳内ににぶちこみました。
身震いする怖さを光忠からいつも感じつつも惹かれる。天才。たたただ天才。

歌仙兼定登場

白い。なんとまあ、白い。
今まで之定を見てきてもそこまで之定の印象が白いと思ったことはないのですが、きれいに白かったです。
思ったよりピンとした直刃調で、帽子のかえりかたに品を感じてステキでした。

そもそも刀剣のラインナップがすごすぎる

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目録(受付でもらえます)にまかせますが、どれも一級品。
例えるならば、ハズレのないアルバム曲。
今まで、いろんな刀剣展示を見てきましたがそれと比較してもよく、どの作もすばらしかったです。

いろいろ語りたいですが、メモもとっていないので、以下、目録を目にしながらのコーナーごとの感想です。

4F:細川護立と刀剣

  • どの刀剣も目線を上下に変化させて地鉄の肌と刃文を見るとよいかと。照明のあたりがよいです。
  • 志津の海賊とかたまらない。志津は変化が激しい刃文のイメージですが、キレイに等間隔でした。
  • 図録の小さい写真では感じることができなかった猛々しさを感じた信長

4F:細川忠興の愛刀と肥後拵

  • 刀剣と並ぶと魅力が倍増の歌仙拵
    • 鐔!鐔に注目しちゃいますよねー
  • 信長拵は信長の刀剣を見て再び拵を見ると単体との印象が不思議と変化するのがおもしろかったです

3F:幽斎と古今伝授

  • 古今伝授の太刀
    • 優美。茎の姿がすばらしかったです。これぞ、古刀
    • 今、記憶で振り返ってもあんなに茎が印象に残ったことはそうないです
    • 拵も実践意識の雨中用の革張り
  • 4Fの刀剣の展示と違い、3Fで照明のあたりが弱かったですが、存在感はすばらしかったです
  • 扇かるたをあまりじっくり見てなかったので次はもっと見たいです!

2F:刀装具の世界-肥後金工と細川家-

  • 桜九曜紋透鐔は、縁を見てください。九曜紋のあしらいがステキで金象嵌のちりばめですよ
  • ようやく見れた鶴丸文透鐔。これも透かしっぷりもそうですが、縁ですよね。なみなみです。
  • 水玉透鐔も個人的に好みでした。これも、林又七なんですねー。

永青文庫さん満喫後、またパネル展示へ

12:00すぎぐらいまで強烈にイメージを脳内にインプットしてきました。
おかげで、このブログを書いている今、目をつぶれば浮かぶ刀剣や金工たち。あー。最高。
足りない記憶は補完するようにまた見に行くのでよいのです。

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そんな中、雨もやみがちになりながら、お庭ルートをとおってみました。

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ちなみに、お隣はお茶が飲めて休憩できるスペースありますね。

お庭散策して入り口確認して今回はおしまいです。

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けっこう準備した

今回は、思い入れが強い刀剣や刀装具ばかりでしたので、その情報をまとめておきます。
けっこう、事前勉強したんですよね。

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もくもくと以下です。展示を見に行く前のお話です。

細川家について下見と下調べ

永青文庫さんがTwitterをはじめたのを気に、春季展示で場所の確認をしてきました。
そこから、テレビの特集 で事前に知識を細川家の知識を吸収。
古書で、肥後拵や肥後金工について調べたりトーハクで実際に林又七の鍔を見たりとテンションを高めました。

歌仙兼定について

つるぎの屋さんのTwitterが大変参考になります。
はばきがない展示である点。白け映りがはいる美濃物の特徴を頭にいれて挑みました。
あとは、之定なので、今まで見た之定の記憶との照らしですね。

生駒光忠に対する思い

佐野美術館で見た記憶が強烈でほかの刀剣の記憶が飛ぶぐらい印象に残った作です。
光忠を天才と初めての刀剣博物館で感じてから確信を得たのがこの一口。
私の刀剣感性の原点です。

今回、これが展示される聞いて狂喜乱舞していました。
例えば、前日のスマホのアラートは『生駒光忠』と書かれただけの早起きを促すアラートでしたし、
展示初日に図録の備前刀剣王国の生駒光忠の写真をじっと見て、知識を蓄えました。

生駒光忠について

光忠特有の身幅の広さと猪首鋒。丁子気味と互の目気味に上下に少しわかれる。
初見と違い、足・葉が刃中に潜んでる姿は見たい。あと、匂口の冴えっぷり。乱れ映り鮮やかに立つ。

『物打の互の目が目立つ点に長船物の特色』
『刃文は中程より下半ははなやかな大丁子乱、上半は小出来になり、物打は互の目になり』

参考:日本の美術 No.73 備前鍛冶より引用。

このころから長船派として映りの時代になるはずです。

歌仙拵と肥後金工

刀だけじゃない。とはいいますが、今回の展示は特に違います。
有名所のオンパレードの鍔に拵です。
歌仙拵と信長拵。この二つが刀剣とともに展示される豪華さ。

林又七

肥後金工といえば、林又七。細川家からはじまる肥後の金工の歴史。
その次代を彩った人たちの作を見ることができます。
コレクションとしてすごいです。特に、桜九曜紋透鐔ですね。
これエピソードも含めて写真でしか見たことがないけど好きすぎます。
又七を知るきっかけになり、また鐔のすばらしさを知りました。

霞桜文透鐔も注目ですよね。ポイントは金象嵌です。
その作のすばらしさを見事な眼力でもって細川護立(もりたつ)が入手した話がおもしろいです。
肥後では『御紋透』とよばれる格式のある鐔だそうで。


参考文献は、MUSEUM第157号と過去展示。
過去展示は永青文庫さんの季刊誌のNo.88に注目です。
※ 準備の段階でこの季刊誌持っていましたが、売り切れましたね。残念。


おわりに

永青文庫さんで並んだ品々は一品一品が強烈です。
一つの部屋で展示として完結しているものが一挙におしよせた展示と感じました。
何回も行く予定なので、この事前情報をさらにねって、次回はメモをとりにじっくり行こうと思います。