薪能。ご存知でしょうか?
かがり火を焚いた屋外の夜を舞台設定にした能楽のことです。
今回は、 小狐丸と三條小鍛冶宗近目的で能を見に行きました。
まとめ
- 能楽にはまってしまった
- 発売当日は行列ができる人気なのと基本チケットは増上寺で直接購入
- 外は意外と寒いので防寒対策を。パイプ椅子なので携帯クッションがあると便利
増上寺薪能とは?
ホームページのとおりですね。
年に1回。ふだんは、9月最終土曜日の日程らしいですが、今回は例外の10月の第1週でした。
増上寺自体は大門のお寺として有名かと思います(東京タワー前のお寺)。
第32回 薪能のご案内|増上寺
ポスターのとおりなのと、こちらのサイトより引用させていただきます。
日程
【日程】平成27年10月 3日(土) 【時間】16:30 入場開始 17:30 法要 18:00 演目開始 【会場】増上寺境内特設舞台
演目
能 「杜 若」(かきつばた) シテ 梅若 万三郎 狂言「昆布売」(こぶうり) シテ 山本 東次郎 能 「小鍛冶-白頭-」(こかじ-しろがしら-) シテ 梅若 万佐晴
今回の狙いは小鍛冶。
種類は、赤頭、黒頭、白頭と3種類のパターンがある珍しい演目なのですが、
初心者向けとのことで、はじめて見る演目に適していると判断しました。
準備
- 書籍編:能楽ってなんだ?と本を読んだりネットで調べた。
- 購入偏:どうやったら購入できるか調べて実際にチケットを買いに増上寺に行った。
書籍編
能楽ってなんだ?を調べるところからスタートです。
本質を知るべきだよなーと古い書籍を一冊。
加えて、店頭で比較的頭に入りやすい一冊を購入して勉強しました。
能とは何か
- 作者: 夢野久作
- 発売日: 2012/09/27
- メディア: Kindle版
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能の本質を知りたくて昔語られた能とは何かを問うたお話を選択。Kindleで0円。
有意味ではなく無意味。削ぎ落とす芸術。
楽器も舞台装置もできるだけ削り、能面に表情や性別を託すくだりが魅力的に感じました。
能楽入門〈1〉初めての能・狂言
能楽入門〈1〉初めての能・狂言 (Shotor Library)
- 作者: 三浦裕子,横浜能楽堂,山崎有一郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1998/12
- メディア: 単行本
- クリック: 12回
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書店にて、様々な能楽に関する本を見比べましたが、これが一番よかったので購入しました。
あらすじ集や部分解説が多い他の書籍に比べて、この本は能と狂言を満遍なく紹介した点を評価しています。
カラー写真も多く、ひとつの演目(大江山)に注目することで、全体の流れを把握することができます
1998年初版ですが、今の能楽を知るのに最適な入門書と私は思います。
購入偏
購入は1,2ヶ月ほど前から可能だったのですが、気がついた時は開催の2週間前でした。
そこで、電話して購入方法を詳しく聞いてみることに。
すると、直接購入したほうがよいと感じる点があったのでお寺へ出発することにしました。
受付で直接購入
増上寺に行きます。大門駅
からが道のりはわかりやすいですね。
以下、公式HPより引用です。 > アクセス|増上寺
受付は、増上寺境内内の左奥の事務所になります。
ただ、受付の人が全員坊さんだったことに驚きました。
よく考えたら、当たり前なんですけどね。
注意点
S席, A席, B席, 自由席の4種類あるのですが、雨天決行の場合は屋内。
それも、S席とA席の方までで、他の人は返金となります。
また、大きな舞台でもあるので、B席と自由席は舞台からけっこう遠いです。
お坊さんにアドバイスをもらう
※ 写真は座席表。1000人規模です。
座席を選ぶ際は、大きなボードの座席表を見ながらの選択でした。
小鍛冶であれば正面から見ることに価値が生まれるのですが、すでに席もいっぱい。
それでもできるだけいい場所をとお坊さんと相談しながら 脇正面 を選択。
結果的には、全体を見渡せる位置取りとしてはよい場所でした。
チケットを発行してもらい準備完了です。
当日
増上寺への行き方は準備編のとおりです。
まるで映画を見た感想を語るようになってしまうので詳細は省略気味で。
当日の始まる前の感想
- 思ったより大規模。人が多いなー。外は寒いなー。
- 弁当とお茶を売っている。食べながら見ることもできるんだ。
- あれ?本も売っているんだ。書籍案内をしているんだなー。ここで、一冊購入。
- 会場内に連絡先を書くシートがあり、来年の情報を連絡してくれるようなので登録。
書籍販売の様子
こちらで、小鍛冶(対訳で楽しむ)を購入。会場価格で1割引でした。
- 作者: 竹本幹夫
- 出版社/メーカー: 桧書店
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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演目開始
それぞれの感想は見たほうがいいとしか言えませんね。
狂言はめちゃくちゃ笑いましたし、会場も笑いに包まれていました。
とにかくわかりやすいんですよね。
能は、とにかくすごいとしかいえませんでした。
トリップというか別世界に連れて行ってくれる感じがたまらないです。
舞の中で、こちらをリラックスして眠たくなる手前に連れて行かせて、
その隙間を狙うかのように次々と動きを見せられていく感じがたまらないです。
能楽は外でやるものが基本だそうですが、この薪火の中、
また、本物の松を背景に動く様は幻想的でした。
稲荷明神を可愛く思うには距離が遠かったのですが、小鍛冶も堪能。
とにかく、また能楽が見たい!という気持ちになりました。
おわりに
能楽にはまってしまいました。
この手のものは知識があればより楽しめますが、
知識がなくても、これはすごいものを見ているというパワーを感じることができます。
この日以来、すっかり能楽にはまってしまい、今に至ります。
来年、ちゃんと勉強しに行く予定を立てたのでそのお話もレポートしていきたいですね。
ただ、どうせ見るならとうらぶクラスタの演目を見てしまいたくなりますね。
そんなときは、以下のネット情報をご参考に。
ネット情報
- 能.comさんには対訳もあるし、解説が丁寧です
- 小鍛冶なら、能楽イラストさんの解説もはずせません。愛がつまっている。
togetterにまとめられていますよ。